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トラウマティック銀幕 怪人マブゼ博士

ドイツ・ニューウェイヴのバンドにプロパガンダというのがいた。
昔はレコードを持ってたんだけど、そのなかの一曲がこれ。
どんな博士だろうか気になって、それがずっとトラウマになっていた。
監督のフリッツ・ラングは相当気に入ってたのか、三回も作っている。
グラコロが今回観たのは32年版。

<怪人マブゼ博士>



悪の首領マブゼ博士は悪事が露見し、偽札工場に潜んで警察に逮捕される。
でも、発狂している事がわかり、精神病院に入れられる。
毎日文章を書きなぐり、意味不明だったのが次第に論文めいたものだと判明する。
担当医のバウム博士によれば、それは犯罪の理論書。
一方、警察の密命をおびて偽札工場に探りを入れていたホフマイスターも行方不明に。
やがて精神を病んで見つかり、マブゼ博士と同じ病院に収容される。
偽札工場の悪党の中には、騙されて仲間に加わったトムがいる。
殺人を厭わない仲間に批判的で、リリーという恋人も出来てひとり苦悩する。
結局、マブゼ博士は死亡するが、悪党達は引き続きマブゼの指示を受けて、
銀行の金全部を偽札にすり変えたり、化学工場爆破計画を着々と進める。
生前マブゼ博士は催眠術によって人を操り、犯罪を行わせていた。
催眠術の遠隔操作は可能なのか。でも、マブゼ博士は死んだのでは?
そして、仲間を裏切る決意をしたトムとリリーに危機が迫る。

警察の密偵ホフマイスターの鬼気迫った狂気の演技が怖い。
病室で一人の時は、必死で警部に(そこにはない)電話をかけ続けるが、
誰かが来ると、怯えながら歌い続ける。
幽体離脱したマブゼ博士は目がぎょろっとした仮面をかぶってて、こっちも怖い。
担当医のバウム博士に乗り移るところは、ウルトラQの「悪魔っ子」を思い出したぞ。
フリッツ・ラングと言えば「メトロポリス」。
あの映像美を期待したのだが、32年版はちょっと物足りない。
もしかして無声の22年版の方が良いのかも? NHKBSでやってくれないかな?