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トラウマティック銀幕 ツィゴイネルワイゼン

原田芳雄が心配だ。なんとか元気になってもらいたい。
いや、よりパワーアップして帰ってくると信じているぞ!
それにしても鈴木清順!30歳?40歳?も若い女性と再婚!さすがだ!

ツィゴイネルワイゼン



女の水死体が浜に上がる。
漁民達に取り巻かれるのは旅の男、中砂糺。
女を海に突き落とした容疑で連行されそうになったところ、
偶然その地を旅していた友人の青地が助ける。
旅先での再会を祝して、宿に呼んだ芸者おいねは弟の弔いを済ませたばかり。
おいねと懇ろな仲となった中砂だが、
おいねそっくりの名家の娘お園を嫁に迎え、娘をもうけるがまた旅に。
一方、青地にはお嬢さん育ちの妻がいて、その妻には意識混濁した入院中の妹がいる。
義妹を見舞った青地は、妻と中砂が浮気していると聞かされる。
中砂は旅から戻っていたが、持ち帰ったスペイン風邪を園にうつして死なせてしまう。
後妻としておいねを迎えたが、また旅に出てしまう。
でも、旅の途中でトルエン中毒で死んでしまう。
生前、どちらかが先に死んだら、焼かないままその骨をもらうと約束し合ったのに、
青地はそれが出来ずに、荼毘に付された中砂のお骨に申しわけなく思う。
やがて毎夕、青地の家においねが訪れる。
中砂が貸した本を返してもらいに。それが毎日のように続く。
ある晩、本以外のものを返してくれと言う。ツィゴイネルワイゼンのレコードだ。

盲目の男ふたり女ひとりの旅芸人と、中砂と青地に芸者のおいね。
ツィゴイネルワイゼンのレコードから聴こえるサラサーテの声。
入院中の妹は助かるかもと言う妻に「だめだよ」と告げる謎の声。
意識が戻った妹が言う「お義兄さん、棚の中のタラコをもう召し上がった?」
骨フェチの中砂。アレルギー持ちの青地の妻。
橋、トンネル、切り通し。
旅の夫の不在を悩む園は精神を病んでいるのか、青地を化かす狐か。
夫が貸した物を取り返しに来るおいねは生きているのか、幽霊か。
毎回、謎は謎のまま。もはやそれを楽しむ境地に至っている。
今回トラウマになったのは大楠道代の食事シーン。
懐石料理もフレンチもお弁当も水蜜桃も、ものすごく美味しそうに食べるぞ。