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トラウマティック銀幕 ノスフェラトゥ

こちらは先週観た「吸血鬼ノスフェラトゥ」のリメイク版。
78年製作、監督はヴェルナー・ヘルツォーク。声と色を得て名作がどう変わるか?
リメイク版の方が良かったと思えるのは、「遊星からの物体X」しか思いつかない。
さて、今回はどうか?

ノスフェラトゥ

ストーリーはラストを除いてムルナウ版とほぼ同じ。

マカロニ・ウェスタンでの変な役以外、実はクラウス・キンスキーを観たのは初めて。
さすが怪優と言われているだけに、彼のノスフェラトゥもすごい。
ムルナウ版にはなかった、永遠に死ねない不幸と孤独を表現していた。
素晴らしい…、でも、怖くないのがつらい。
ムルナウ版への尊敬は十分感じられるが、やっぱりパロディみたいに感じてしまう。
映像は超絶美。ブリューゲルのような農村風景にそそり立つ岩山、
それをえぐるような急流、海辺の光景など。それにポポル・ヴーの音楽。
ムルナウ版を観ていなかったら、これはこれで傑作となったかもしれない。
今回トラウマになったのは街の広場を占拠したネズミの群れ。
撮影後にちゃんとみんな回収できたのだろうか。