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トラウマティック銀幕 散り行く花

映画が作られた1918年11月は第一次世界大戦が終り、
スペイン風邪が大流行の年で、米国では戦争よりも多い死者を出したらしい。
リリアン・ギッシュもその当時40度の熱を出したけど、大丈夫だった。
おかげで99歳の天寿を全うした。

散り行く花



中国人のチェン・ハンは仏教布教の大志を抱いて、イギリスへと向かうも挫折。
ロンドンのスラム街で一介の商人となり、アヘン窟に出入して自堕落な生活を送る。
近隣にボクサーのバトリングとルーシーのバロウズ父娘が住む。
母親はルーシーが赤ん坊のうちに出奔した。
幼いうちから家事をさせられ、凶暴な父は事あるごとにルーシーを鞭で折檻する。
折檻がきつかったある日、朦朧となったルーシーはチェンの店に倒れ込む。
実はチェンは街で買い物をするルーシーの果敢なげな美しさに魅入られていた。
手厚く介抱されて初めて人の優しさに接したルーシーと至福の時を過ごすチェン。
だがそれも束の間、父に連れ戻されたルーシーには壮絶な折檻が待っていた。

初めて観た時は、どうしてもリチャード・バーセルメスの東洋人が異様に見えた。
この時代、中国人や黒人の多くを白人が演じていたから違和感たっぷり。
でも、今回はリチャード・バーセルメスって美しいと思っちゃったぞ。年の功だな。
リリアン・ギッシュ演じるルーシーの美しさに恍惚となる表情が堪らない。
ちょっと調べたらなんと!リリアンの方が年上だったのね!二才も!!
グラコロが観たリリアン無声映画時代の少女(風)時代と、
狩人の夜」と「八月の鯨」のおばあちゃん時代。中間のおとなの女も観てみたいぞ。
今回のトラウマは不思議な世界に仕上がっていた中国寺院セットに鎮座する仏像。
お顔がビリケンさんっぽかったぞ〜。