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トラウマティック銀幕 バートン・フィンク

実はこの映画、ほんの一瞬しか観てませんでした。
ジョン・グッドマンが炎に包まれた廊下をライフルを持って歩くシーン。
グッドマン好きなので、それ以来、観なきゃってトラウマになってました。

バートン・フィンク



ニューヨークで芝居が成功、脚本家としてハリウッドに迎えられたバートン・フィンク
宿泊先のホテルは客の姿は見えず、フロント係の男とエレベーター係りの老人のみ。
映画会社の社長からはプロレスラーを主人公に脚本を書くよう命じられ、
社会派の脚本家であるバートンは一向に筆が進まない。
煩悶するバートンをさらに苦しめるのは、隣の部屋から聴こえる男の異様な声。
フロントにクレームをつけると直接男が部屋に押しかけてくる。
でも、話をするうちに仲良くなる。男はチャーリーと名乗り、保険の外交員だと言う。
映画会社はおかしな人種ばかりで、社長は人の話をろくに聞かず、雑用の男は元社長、
言いなりのまま映画を作るプロデューサー。バートンが尊敬していた老作家は、
ハリウッドに来てアル中の脚本家となり、自暴自棄になっては秘書兼愛人をいたぶる。
バートンは彼女にひそかに心を寄せ、書けない悩みの相談のため部屋に呼び、
一夜を共にして翌朝目覚めると、彼女は死体となって寝台に横たわる。
チャーリーに助けを求めると、手際良く死体の処理をしてくれる。
二人の間の友情は確かなものとなるが、チャーリーは会社に呼ばれてニューヨークに。
犯人がわからず不安なバートンのもとにある日、ロス市警の刑事二人が訪ねて来る。

とにかくこのホテルが異様。鳴り止まないフロントの呼び鈴、
フロント係は靴磨きに忙しい。長い廊下の各部屋のドアの前にずらっと靴が並ぶ。
開かない窓と芯が折れた鉛筆。天井の傷と、次々に剥がれてくる壁紙。
壁にかかるビーチに座る水着姿の女性の後姿の写真。
上階で何かを引きずる音、水道のパイプの音、隣室のカップルの喘ぎ声、蚊の羽音。
売れればいいだけの映画社会、人種差別者の刑事、作品も秘書頼みの作家。
とびきり良い笑顔を持つグッドマンゆえに、チャーリーの不気味な恐ろしさが倍増。
フリンストーンでヤバヤバドゥーと叫びながら、意外と身が軽くて、
姑のエリザベス・テイラーとのいびり合いも良かったけど、ますます惚れ直したぞ。
今回トラウマになったのは、バートンがチャーリーからあずかった箱の中身。
バートンは最後まで中を見ない。中身は何?明かさないまま終わるのが憎い〜。