トラウマティック銀幕 ピンチクリフ・グランプリ
実は人形アニメとかクレイ・アニメは大好き。
でも、この名作はずっと気になったまま、まだ観てなかった。
タイトルからして「チキチキマシン大レース」みたいなのを想像していたけど。
ピンチクリフ村の切り立った崖の上に住むのは自転車修理工のレオドルと、
助手のアヒルのソランとハリネズミのルドビグ。
ある日の朝刊に発明品の車で三連勝中のルドルフの記事が載る。
レオドルの元弟子で親方の発明したエンジンを盗んでの大成功だ。
テレビのニュースで挑戦者を募るルドルフ。
レオドルの作りかけの自動車が小屋にあり、ソランはレースに出ようと言う。
でも、レイシングカーを完成させるためのお金がない。
明くる朝、車が故障中でテントを張るアラブの富豪を偶然ソランが見つける。
レオドルのイル・テンポ・ギガンテ号の発明スケッチを目にした石油王は、
レースに勝つと所有するアラジン石油の宣伝になるから、スポンサー契約を結ぶ。
このニュースはテレビで取り上げられ、ルドルフは危機感を抱く。
ある夜、助手のミーシルを連れて、ルドルフはレオドルの車にある細工を。
そして、レース当日を迎える。
クレイ・アニメはすごい労力と手間と忍耐と、それに情熱と愛情が注がれるから、
生命力が登場人物に宿るというか、暖かみがあるというか。
カメラをレーシングカーに搭載させたようなドライバー視界の映像。
レースの臨場感とスピード感が出ていて、ひとコマひとコマをつないだ感じが全くしない。
一体どうやって撮ってるんだろう。30年前の作品だけど。
発明家と動物の助手の設定はまるでウォレスとグルミット。
こっちの助手は話すけど、同じく発明品はどれも微妙に緩くて、微笑ましい。
今回トラウマになったのは悪者ルドルフの助手ミーシル。
目の下にひどいクマがあって、悪者の助手は苦労が絶えないのだろうな。気の毒に。