トラウマティック銀幕 茶の味
巨大化したサッチャンの大首が、無言で本人をじ〜いっと 見つめていたり、
はじめ君のおでこから電車が飛び出て、そのあとおでこが空洞になっていたり、
石井克人監督の映画はまだこの一本だけだけど、ものすごく変だから大好き。
<茶の味>
春野一(はじめ)は高校一年生。片思いの彼女は告白しないまま転校。
妹の幸子は小学一年生。悩みは巨大化したもう一人の自分に見つめられること。
母の美子は師匠の義父アキラおじいの力を借りて、アニメーターとしての復活を目指す。
妻においてけぼりにされて、面白くない催眠治療師の父ノブオ。
休暇で帰省した美子の弟アヤノは、幼なじみに失恋したことをまだ引きずっている。
アヤノは甥と姪に呪いの森の話をする。自分の野グソデビューの話。
貧乏だったから、呪いの森で鶏の卵を拾い集めていると、巨大な卵が土に半分埋まり、
普通だったら掘り返そうとするのに、便意が我慢できずにその上にウンコした。
すると血だらけの刺青男が現れては、自分を見ている。頭の上にウンコを乗せて。
でも、ある日、鉄棒の逆上がりが初めて出来た途端、その男は現れなくなった。
その話を聞いたサッチャンは巨大な自分が消えるのを願って、逆上がりの特訓をする。
こんな爺ちゃんいないだろうが、ってのが我修院達也のアキラおじい。
冒頭、変なポーズばかりしているのは元アニメーターとして嫁の美子への協力。
変な歌ばかり(なんであなたは三角定規なのとか、あなたはお湯ですか〜とか)
歌ってるのは漫画家の息子の誕生日記念CDにヴォーカル参加するため。
家族それぞれがかかわるエピソードもおかしなの満載で、不思議なキャラもいっぱい登場。
あと自然美、映像美。桜・川辺・田園、鳥は鳴き、風が舞い、雨が柔らかい。
今回一番のトラウマは、はじめ君がそば屋で相席したカップル。
「違和感」「装着するのが…」と渋る恋人の女性に、HGタイプの男は何かを説得する。
結局、彼女は巨乳になりたいからOK。いったい何をするねん?気になるじゃないか!