guracolo docolo

摩訶不思議な guracolo ワールドへようこそ!

トラウマティック銀幕 雨月物語

寒い!この冬はとんでもなく寒い。
と、こんなに寒い時に背筋の寒くなるものを〜!

雨月物語



戦国時代の琵琶湖のある村。源十郎と宮木の陶工夫婦と隣家には藤兵衛と阿浜夫婦。
長浜で陶器を売って金儲けに目覚める源十郎と侍となって立身出世を夢みる藤兵衛。
二人の男と阿浜は大溝城下へ、幼い息子の面倒を見る宮木は村に残る。
市では陶器が驚くほど売れ、藤兵衛は鎧や槍を買って、阿浜を置いたまま戦へ。
藤兵衛を必死で捜す阿浜は、雑兵どもに陵辱される。
そして、源十郎は供を連れた謎の美女に陶器を大量に注文され、家まで届ける。
途中でその美女若狭と乳母の右近が出迎え、三人が入ったのは草茫々の朽木屋敷。
でも、中は立派な佇まいで、日暮れて大勢の侍女が灯りをともして宴席をもうける。
若狭のこの世のものとは思えない色香に迷い、源十郎は屋敷に逗留する。
一方、思いがけない手柄を上げた藤兵衛は、侍頭となり凱旋中、遊郭に投宿。
そこで女郎となった阿浜と再会。「おまえあっての立身出世なのに…」
お互い涙・涙で、藤兵衛は鎧・槍を捨てて、夫婦二人で故郷をめざす。
村に残った宮木は柴田勢に追われ、幼い息子を背負ったまま雑兵に槍で刺し殺される。
妻の死を知らない源十郎は買い物に出て、旅の僧に「死相が出ている」と言われる。
体中に梵字を書かれて屋敷に戻ると、若狭と右近は正体をあらわす。
二人は一族もろとも織田信長に滅ぼされ、この世のものではなかった。
命からがら逃げ、稼いだ金も何もかも失ってわが家に帰った源十郎を待つものは…。

結末はこの前に観た「怪談」の「黒髪」っぽいかな?って思ったけど、違った。
「雨月〜」の方は恐怖よりも、無常観や家族愛に重点が置かれている。
それにしても宮川一夫のカメラワークがものすごい!!!
霧の琵琶湖を行く舟の描写や、宵闇を迎える朽木屋敷はまさに幽玄!
京マチコと毛利菊枝の主従コンビはゾクゾクするほどの怖さ!
そして、田中絹代の幽霊は哀しくはかなげ。でも、ホッとする。
今回のトラウマは琵琶湖の葦の中洲で、若狭と源十郎の二人っきりのピクニック。
美しい景色にお重とお酒と音曲と。めちゃめちゃやってみたいぞ!相手が幽霊でも。