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トラウマティック銀幕 美女と野獣

巷ではともすればアーティストという言葉が軽〜く使われている。
でも、芸術家は?最近あまり見かけないなあ…。

美女と野獣



裕福な商人の家族。父と傲慢で意地悪な姉二人と放蕩者の兄と、美しい末娘ベル。
ベルに言い寄るのは兄と同じく放蕩者で女たらしの友人のアブナン。
姉がベルを小間使いがわりに使うのは、父が税金滞納で船を取り上げられたためだ。
その船が戻るとの知らせで商いの船旅に出られると喜ぶ父、お土産をねだる姉二人。
ベルが望んだのは父親が無事に帰ることと、バラの花一輪。
だが、せっかく港に出向いたのに、船の引き取り料が払えずむなしく家に帰ることに。
夜の嵐に古城へと迷い込むと、暖炉には火が燃え、暖かい料理も用意されている。
翌朝、礼を述べようと主の姿を求めて庭を探すと、バラの花が咲き乱れている。
一輪手に取った瞬間、突然獣の顔をした男が姿を現す。
「城の中のものを持ち出すのは自由だが、バラを手折ることだけは許さない。
命を差し出すか、三人の娘のだれかを身代わりによこすか、三日以内に決めろ」
野獣の愛馬マニフェストに乗せられて家に戻った父親は、そのまま病に臥してしまう。
バラをねだったからだと姉から責められ、ベルは早朝マニフェストに乗って城に行く。
最初は野獣に嫌悪感を抱いたベルだが、彼の苦悩と純粋な心に気持ちが変わる。
でも、毎夜七時、夕食の席でのこの問いかけに応じる事は出来ないでいる。
「ベル、わたしの妻になってくれないか?」
やがて父の病気を心配するベルは、家に帰りたいと野獣に懇願する。
頑として願いを聞き入れなかった野獣だが、意気消沈するベルに心が折れ、
一週間だけ帰宅を認める。「もし、そなたが戻らなければ、わたしは苦しみで死ぬ」
帰宅したベルの女王のようないでたちに、姉ふたりと放蕩者の兄とその友は…。

麗しい!この映画こそ、映画史上一番美しい映画だと思う。
スローモーションで風に揺れるマントやドレスやカーテンのドレープ、
壁から突き出して燭台を持つ腕が、方向を指さしたり、ワインをグラスに注いだり、
暖炉のマントルピースに彫られた美青年の半身石像の鼻から煙が出たり、
微笑む石像、矢を放つ石像、話す扉、話す鏡、壁を突き破って現れるベルなど、
美しく摩訶不思議で、なおかつちょっと笑える映像が満載!
ベル役のジョゼット・デイの麗しさはこの世のものとは思えないほど。
兄の友で放蕩者で女たらしの役はジャン・マレーにピッタリはまりすぎる。
今回のトラウマは獣性を抑えるのに苦労する野獣。鹿の気配に野獣の耳が立つのだ。
めちゃカワイイ!!こっちの方がいい!ベルの好みはおかしい〜!