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トラウマティック銀幕 ホテル・ニューハンプシャー

ビョークはデビュー曲の‘Human Behavior’のPVでクマの毛皮をスッポリ着ていた。
初めて目にした時、んんん〜?どこかで似たようなものを見たぞ〜?って。

ホテル・ニューハンプシャー

ベリー家の夜、パパのウィンは子供たちにお休み前のお話をする。
「出会いはホテル・ニューハンプシャー。ママはメイドでパパは学生アルバイト。
興行師のフロイトが相棒の芸達者なクマを連れてやって来た。泊り客とのトラブルで、
フロイトはヨーロッパに。引き取ったクマは隣の家の少年に射殺されてしまったんだ」
教師だったウィンは、廃屋になっていたホテル・ニューハンプシャーを買い取り、
妻と子供たち5人で移り住み、ずっと念願だったホテル業を始める。
兄ふたりと姉は高校生。気の弱い長兄フランクとひ弱な中兄ジョンがにいじめに合い、
不良グループのリーダー格ダブをとっちめるのは男勝りの姉のフラニー。
妹のリリーは成長の止まった小人で、末の弟はみんなからあだ名でエッグと呼ばれる。
あるハロウィーンの夜、ダブは仲間と集団でフラニーをレイプする。
実は密かにダブに恋心を抱いていたから、フラニーのトラウマは複雑なものに。
新年にウィーンからフロイトの手紙が届く。「こっちでホテルを手伝わないか?」
すぐに誘いに応じたウィンは、上の四人の子供を連れてウィーンへと発つ。
ホテルに着くとフロイトは失明しており、娘のスージーはクマの毛皮を着ている。
おまけに長期滞在客は宿泊料を払わない反政府分子たちと、年増の売春婦たち。
そこへ訃報が届く。後から発ったウィンの妻とエッグの乗る飛行機が墜落。
傷心のベリー家は金がなくて帰国できない。ホテルの名をニューハンプシャーと変え、
なんとか経営に乗り出すが、革命家たちに不穏な動きが…。

レイプ、墜落死、失明、投身自殺、近親相姦、同性愛などなど、
これでもかというぐらい不幸とアブノーマルな倒錯愛が盛り込まれるが、
ちっとも深刻にならないのは、原作者ジョン・アーヴィングのカラーか?
屈折したユーモアがお家芸のイギリス人監督トニー・リチャードソンのカラーか?
84年製作当時アイドル的な存在だったロブ・ロウとマシュー・モディンに、
ジョディ・フォスターとナターシャ・キンスキーのトラウマ度満点女優がからむ。
今回のトラウマはオナラばかりする黒ラブのソロー。かわいがるのはフラニーだけ。
殺傷処分されるが、フランクが傷心のフラニーのために剥製にする。
その顔が笑っていてものすごく怖い!怖いのに剥製を大事にするエッグがまた不思議。