トラウマティック銀幕 薔薇の葬列
ある意味、ここにはピッタリの映画かな?
ずっと気になっててようやく観れた!ピーター、16才の妖艶。
そして製作年度が69年。この時代の新宿って憧れるなあ。
<薔薇の葬列>
ラブホテルから出て来るエディと権田。車に乗る二人の姿を追う者が。
「あれ、ママじゃない?」二人に動揺が走る。
権田がオーナーであるゲイバー「ジュネ」のママで、権田の愛人レダだ。
エディはその店の売れっ子だが、遅刻はするし客とはすぐに寝る。
それに今度は権田を奪う。知り合いの女にエディに焼きを入れるよう依頼するレダ。
女一味とエディの連れを巻き込んで警察沙汰となり、エディを身請けに行く権田。
レダの企みはばれて、権田はレダに冷たく別れを言い放つ。
ふたつの人形の片方には首に、もう片方には両目に針を刺し、レダは自殺する。
バーはエディがママとなり、恋人達は晴れて一緒に暮らすこととなる。
エディは幼い頃に父が母を捨てたため、父の顔を覚えていない。
女手ひとつで育てられたが、母に愛人が出来たためエディは両者とも刺殺する。
エディは自分と母と顔の部分をタバコで焼かれた父の写真を部屋に飾る。
エディの入浴中にその写真を見つけた権田は…。
途中でゲイボーイたちや監督(実は役者)やピーターへのインタビューが入ったり、
ゲイバーの客としてジュネにやって来る秋山正太郎や篠山正浩や、
70年安保の学生運動や、サイケロックに不条理文学青年やアングラ表現者たちや、
結末あたりで、いや〜怖いですね、面白いですねと決り文句を言う淀長さんが登場。
ケイオスだ。この時代の新宿の熱気と混沌と胡散臭さと危うさとが濃密に映っている。
ああ、この時代に参加したかったなあ!羨ましいなあ。遅れちゃったなあ。
さてさてこの映画の松本俊夫監督の作品は「ドグラマグラ」だけ一応観たけど、
桂枝雀が出ていたというだけで内容は全く覚えてない。観直さなきゃ。
今回のトラウマは新宿の街で白マスクのサラリーマン集団。
肩から骨壷の入った箱を吊るし、片手を上げながらゆっくり練り歩く。
最後尾はガスマスク。強トラ度満点。子供が見たらきっと泣くぞ!