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トラウマティック銀幕 野いちご

ちょっと前に観た、驚愕のラストと言われた‘シャッター・アイランド’で、
一番驚いたのはマックス・フォン・シドーが出ていたこと。お元気そうで何よりです。
で、彼の若い頃が見られるこの映画を久しぶりにもう一度。

<野いちご>

イーサク・ボルイ、78才。ルンド大学で名誉博士号を受けることになった。
授賞式前夜に悪夢を見た。散歩中に見知らぬ通りに迷い込むと、店の時計は針がなく、
帽子姿の男の肩に手をかけると崩れ落ち、暴走する馬車から棺が落ちる。
蓋の開いた棺から腕が伸び、腕を掴まれる。棺の中のその顔は自分自身…。
ルンドへは列車で向かうはずだったのに、急遽、車で行くことにする。
家を訪れていたひとり息子の嫁も自宅のあるルンドへ帰ると言う。
嫁のマリアンには何か深刻そうな事情がありそうだが、話そうとしない。
夫は父への学費返済の苦労しており、夫婦関係がギクシャクしているとは言う。
「お義父さんは金持ちなのに」「約束は約束だから」
ドライブの途中で、イーサクが子供時代をすごした家に立ち寄る。
庭には野いちご。水浴びに行ったマリアンを待つ間、家を眺めて思い出にふける。
青年時代、従妹で婚約者のサーラを自分の弟に取られてしまう。
「イーサクは優しいけど高潔すぎて、自分がどんどん情けなくなるの」
家の庭で偶然知り合った若い女性と二人のお伴の男のヒッチハイカーを乗せる。
途中、車が故障した夫婦を乗せて、車中で喧嘩し始めたので降ろすことも。
医者として初めて開業した地にも立ち寄り、96才の老母が住む家にも寄る。
そのあとでの車中、眠ってしまったイーサクはまたもや悪夢を見る。
試験の最後の問題としてある場面を見せられる。死んだ妻と男の密会場面。
妻のことを思い出すのはいつも目撃してしまったその場面ばかり。
「あの人は優しいけど冷たい。わたしを許すと言うけど心からじゃない」
試験官はイーサクに言う。「あなたはすでに罰を受けている。孤独という罰を」
悪夢から目覚めたイーサクにマリアンは夫婦の問題を打ち明ける。
夫エーヴァルドは不仲の父母に歓迎されずに疎まれて生まれたため、
身軽のまま死にたいから子供はいらないと言う。でも、妊娠した自分は産みたいのだ。

昔、この映画を観た時はまだちょっと背伸びしていたせいか、よくわからなかった。
ただ最初の悪夢がマグリッドっぽく、全体がロードムービーっぽいなあという印象。
今回は‘クリスマスキャロル’と‘幸せの黄色いハンカチ’が合体って感じかな?
頑固じいさんが急に心を入れ替えていい人になっても、周りのみんなは戸惑うよなあ。
ベルイマンはいっぱい観てるけど、わからないままにしている気がする。観直さにゃ。
さて今回のトラウマはやっぱりマックス・フォン・シドー
開業したばかりの頃のイーサクに家族みんなお世話になったというGS店員の役。
全く似合わない。クセのある役ばかりやってるから、こういう事になるんだなあ…。