トラウマティック銀幕 Uボート
実は閉所恐怖症っぽい。エレベーターが苦手。
飛行機も苦手。潜水艦なんか絶対に乗りたくない。
真っ暗な映画館の中でこれを見ると、よけい息苦しくなっちゃうよ。
<Uボート>
新たに艦長を迎え、フランスの港を出港するUボート。
任務は大西洋上を行く連合軍の輸送船を撃沈すること。
若い乗組員たちは戦況を把握しておらず、ただただ威勢がいいばかり。
経験豊かな新艦長は、連合軍が対潜水艦戦術を向上させていることを知っている。
まず艦長はテスト。Uボートの限界潜水深度をためす。200メートルは大丈夫だ。
次に、敵の輸送船を狙うのだが、時おり駆逐艦に見つけられてしまう。手強い相手だ。
哨戒航行45日目に敵の輸送船団を発見する。護衛艦や駆逐艦は見当たらない。
魚雷で攻撃し二隻を撃沈させるが、はるか前方を守っていた駆逐艦の反撃にあう。
大慌てで潜航するが、敵はソーナー探知機を使い執拗に追い回す。
限界を越えた深度まで潜るが、敵の攻撃はなかなか収まらない。
水圧に耐えかねてUボートは悲鳴をあげ、乗組員は恐怖に耐える。
だが、追跡を断念したのか攻撃が突然止まり、浮上すると敵艦は炎上している。
燃えさかる駆逐艦から敵兵が助けを求めて泳いでくるが、助けられずに見殺しにする。
ひとまず任務を終えて、フランスに寄港するものとみんなが思うなか、
新たな任務が命じられる。敵が包囲するジブラルダル海峡を突破せよ。
艦長のユルゲン・プロホノフの魅力にすっかり参ってしまったぞ。
こんな上司なら部下も必死になってがんばってしまう。
後半のハイライトは海底まで沈んでしまった潜水艦をいかに浮上させるか。
前半、恐怖でパニックになってた乗組員が、ここではすごい集中力を発揮。
恐怖に負けずに全力で取り組む姿が素晴らしい。もう必死のチームワーク。
W・ペーターゼン監督はこのあと「ネバー・エンディング・ストーリー」を撮り、
エンデを怒らしたままアメリカに行くけど、あまりパッとしないな。
今回のトラウマは、むくつけき男たちがどんどんむさ苦しくなっていくこと。
ヒゲはボウボウ、たぶんシャワーも入らない。狭い艦内はすさまじく臭うだろなあ〜。