トラウマティック銀幕 恐るべき子供たち
十代の頃からずっと気になっていてものをようやく観たぞ。
コクトーのお芝居をジャン・ピエール・メルヴィルが監督。
でも、ちょこっとだけ、いかにもコクトーらしい映像仕掛けがあるよ〜ん。
<恐るべき子供たち>
男子校の放課後、勢い良く学校を飛び出す生徒たちが雪合戦を開始。
そのなかのリーダー格のダルジュロスが放った雪玉を胸に受けてポールは倒れる。
口から血を出して失神。目撃者のジェラールは雪玉に石が込められていたと言う。
だが、意識が戻ったポールは否定する。「ただの雪玉さ。息がつまっただけだよ」
ジェラールと家に戻ると、姉のエリザベートは看護するのがふたりに増えたと怒る。
重い病気の母がいるのだ。ちょうど往診してきた医師にポールも診てもらう。
倒れたのは雪玉のせいではなく、もともと肺が弱いのでしばらく学校を休むことに。
校長はダルジュロスを罰しようとするが、態度は改まらず放校処分にする。
ジェラールから話を聞いたポールは哀しむ。さらに母が急死して哀しみに沈む姉弟。
転地療養を勧める医師はジェラールの父に、姉弟を海に連れて行ってくれるよう頼む。
初めての汽車、ホテル、海。度胸試しに商店で万引き。姉・弟は日焼けして家に戻る。
元気になった姉弟はまたいつもの喧嘩。「働くわ」「すぐにクビになるくせに」
姉はモデルとして働き始め、友達になったアガートを家に連れて来る。
彼女の顔を見て驚くポール。ダルジュロスと瓜二つ。彼女は母の部屋に住むことに。
ポールはアガートに冷たく接する。部屋に残り、ジェラールとアガートと姉が出歩く。
もうひとり、ユダヤ人のミカエルが加わる。「わたし結婚するの」「その顔でか?」
だが、結婚直後にミカエルは自動車事故で死に、莫大な遺産がエリザベートに。
18室の寝室やホールのある家にエリザベトはポールとアガートとジェラールと住む。
エリザベトは気がついていた。弟の好きなスターはみんなダルジュロスに似ている。
弟は本心ではアガートを愛していることを。そしてアガートもポールを。
病気を再発したポールはアガートに手紙を出すが、届かずにエリザベトの手に渡り…。
病弱で麗しい弟をずっと自分がそばにいて、甲斐甲斐しく面倒みるのだ!
弟の気を惹こうと結婚してみたり、邪魔なアガートはジェラールに押しつけちゃう。
ミルクをぶっかけられようが、口汚く罵倒されようが、弟を独占できるならいい。
あまりにも一方通行。独りよがり。すべてを道連れに不幸な結末に一直線。
同じく弟を持つ姉として、エリザベトに何らシンパシーも起こらず。ただ痛いだけ。
この姉が美人だったらまだ許せるんだけど、みごとな男顔。中性的?ちょっと苦しい。
ダルジュロスとアガートの二役を見事に演じ分けたルネ・コジマに拍手!
今回のトラウマは男子生徒の半ズボン。やっぱり半ズボンは小学生までにして。