トラウマティック銀幕 天国の日々
guracoloはよ〜く勘違いをする。それも、とんでもない勘違いを。
ちょっと前にブラッド・ピット主演作を撮っていたテレンス・マリック。
すごい寡作で、他にどんな作品があるかって調べてた。
で、この映画が傑作とされていた。え?失敗作じゃないの?
実は…、ずっとマイケル・チミノ監督の‘天国の門’とごっちゃにしていたのだ〜!
<天国の日々>
シカゴの工場で上役を殴り倒して、放浪の旅に出たビル。
恋人のアビーと妹のリンダを連れて、列車の天蓋に無賃乗車。
旅の道連れは多く、みんな貧しい老若男女。パンハンドルの平原を通る。
突然、列車が止まり、麦刈り募集の声がかかる。ビルたち三人も兄妹として働くことに。
地平線の向こうまで続く麦畑。そこに一軒だけポツンとお屋敷が建つ。
農場主はビルと同年輩の若い男。たった一人でそこに住む。
朝から夜まで重労働。遠くから望遠鏡で眺める農場主チャックはアビーに魅かれてゆく。
医者が定期的にチャックを往診してきて、ふたりの会話をビルが偶然聞いてしまう。
チャックは不治の病にかかっていて、余命はもってもあと一年らしい。
麦刈りが終了する前日、チャックはアビーに声をかける。「このまま残らないか」
ビルはチャンスとばかりにその申し出に応じろと言うが、乗り気でないアビー。
結局、兄と妹がいっしょならという条件で残ることにする。農閑期、仕事は楽になる。
やがてチャックはアビーに結婚を申し込む。思い悩むアビーにしばらくの辛抱だとビル。
反対する父親がわりの老現場監督は北方へと移らされる。「あなたは騙されている」
しばらくは平穏な日々が続く。「毎日働かなくてもいいって、金持ちはいいなあ」とリンダ。
手紙も訪問者もない毎日。チャックの病気は小康状態のようで、ビルは焦れてくる。
そこへ突然の訪問者がやってくる。旅の曲芸団だ。曲芸や映画で久しぶりの娯楽。
リンダは大喜び、アビーとビルもつい気持ちが緩み、兄妹にしては親しすぎる睦み合い。
ふたりは窓の外からチャックが見ているのにも気づいていなかった。
これはテレンス・マリックの映画なのか?ネストール・アルメンドロスの映画なのか?
超絶映像美がこの作品のほとんど全て。9割9分9厘。三角関係はどうでもよくなる。
それでも、余命一年の孤独な農場主のサム・シェパードの繊細な眼差しに参った。
ブルック・アダムズのアビーは角度によって可愛かったり、不細工だったり。
独特の雰囲気でふたりの男を惹きつけてしまう。不思議な魅力の持ち主。
悪人にはなりきれないけど、なんか宙ぶらりんって感じのビルをリチャード・ギアが好演。
今回のトラウマはビルの妹。リンダ・マンズって当時はけっこう注目されてたけど…。
小さい魔女みたい。当時15、6歳?超小柄だけど、実は微妙な年齢だったんだなあ。