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トラウマティック銀幕 アッシャー家の惨劇

ポーの作品をいろいろ、初めて読んだときは衝撃を受けた。
この作品では、死んだら棺に酸素ボンベと無線機を入れてほしいと思った。
今なら携帯?かかってきたら怖いだろなあ。「もしもし〜」

<アッシャー家の惨劇>

霧の夜、ひとりの男が馬に乗って暗い森を抜け、荒廃した屋敷を訪れる。
執事は男が屋敷に住むマデリンの婚約者だと言ってもなかなか中に入れようとしない。
マデリンは重病で、兄のロデリックからだれも家に入れてはいけないと命じられていた。
納得のいかない婚約者フィリップは、ロデリックと話をしたいと強引に屋敷に入る。
ロデリックは妹の婚約など認めず、「帰ってくれ。きみのためでもあるんだ」
そこへマデリンが現れる。「彼は帰らないわ」フィリップはとりあえず泊まることに。
ふたりはボストンで婚約した。生気あふれる女性だったのに別人のようだ。
フィリップは陰気な屋敷が彼女を病気にしているとし、ふたりでボストンに発つつもりだ。
兄は断固拒否する。「妹は死にかけている。この家を出たら確実に死ぬ」
兄妹ともに食べ物は流動食、日光に弱く、音に過敏に反応して精神錯乱になるとも言う。
「妹はこの家から生きて出られないんだ」その言葉に応えるように家が揺れひび割れる。
フィリップは怯まない。「ひとりでは発たない。マデリンと一緒でなければ」
その夜、寝室を出てマデリンは地下の礼拝堂に。死の夢にとりつかれた夢遊病患者。
驚くフィリップにロデリックは壁を飾る先祖代々の肖像画を示しながら打ち明ける。
殺人者、売春婦、強盗、密輸犯、詐欺師…アッシャー家の呪われた血筋。狂気の家系。
「でも、それは先祖の話であってマデリンとは関係ないじゃないか」
なんとか家を出ようと説得するフィリップにマデリンは「見せたいものがあるの」
向かったのは地下のアッシャー家代々の納骨堂。祖父母、父母の棺が並び、そして…。

ホラー御三家はクリストファー・リーピーター・カッシングヴィンセント・プライス
プライス御大のホラーはお初です。‘シザー・ハンズ’と‘スリラー’の語りしか知らず。
ロジャー・コーマン監督とはポー作品を多数撮っているらしいけど、どれもB級の評判。
肝心なマデリンの血まみれ指はあったけど、棺を出て虚ろな目で歩き回るシーンはなし。
そもそも棺って土に埋められてたんじゃなかったっけ?違ったっけ?
いろいろ不満な点はあるけど、映像はかなりいい感じ。Bはかわいそう。Bプラスぐらい。
原題どおり‘アッシャー家の崩壊’だと結末がわかっちゃうから?崩壊でいいよ〜。
今回のトラウマはフィリップ。声も足音もでかいは、家が不気味でも揺れても全然平気。
プライス御大の繊細ロデリックに対して無神経で粗忽者!そりゃ、結婚に反対されるわ。