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トラウマティック銀幕 グロリア

俳優としてのジョン・カサヴェテス出演映画って何だったっけ?
ローズマリーの赤ちゃん’が有名らしいけど…。
恐ろしすぎるほど鬼気迫る演技のミア・ファローしか覚えていない…。

<グロリア>

あるプエルトリコ人家族の住むアパートが不穏な空気に包まれている。
組織の会計担当だった父親が横領したうえ、情報をFBIに流したのがバレた。
荷物をまとめて逃走するはずだったが手遅れ。男たちがアパートにやって来る。
そこへ隣人で母親の友人のグロリアが何も知らまま訪問。末の男の子を託される。
その子は6歳。組織の秘密を書きためた手帖を父親に渡される。
「逃げるんだ。男になれ」だが、その子フィルはグロリアを嫌って家に戻りたがる。
「わたしはあんたの親戚でもなんでもないのに」それに大の子供嫌いだ。
組織の男たちは家族を皆殺しにして、部屋中を探すが手帖は見つからない。
やがて警察が到着し、混乱する現場からグロリアとフィルは脱出する。
向かった先はグロリアが住むもうひとつのアパート。だが、そこへ追っ手が迫る。
実はグロリアは組織のボスであるタンジーニの元愛人だったのだ。
「こんな街中で子供を撃ち殺す気?」とすごんで、相手がひるんだ隙に銃をぶっぱなす。
嫌々ながら巻き込まれたのに、もはや組織を敵に回してフィルと逃げることとなる。
ニューヨークを出てピッツバーグへ向かおうとして、なぜか途中で墓地へ立ち寄る。
「どのお墓でもいいからパパにお別れを言いなさい」グロリアはどこか悲しげだ。
逃避行のさなかもフィルは家に帰りたいと不平を言い、必死なのは自分ばかり。
ついに逃亡に疲れ果てたグロリアは言い放つ。「バーに行くから、あんたは好きにして」
フィルは組織の男たちに捕まり、必死に助け出すグロリアをフィルは慕うようになる。
もう永遠に逃げ続けることはできない。グロリアはタンジーニと話をつけることにする。
「もし、わたしが3時間半しても戻らなければピッツバーグに向かうのよ」

6歳のフィルの恋する相手がグロリアだなんて!やるなあ、この子!
だったら守ってやろうじゃないか!母性も父性も総動員して、必死のパッチで!
絶体絶命のピンチにも不敵に笑うグロリア、ジーナ・ローランズは魅力全開。
それを引き出す夫ジョン・カサヴェデスの監督としての力量のものすごさ。
夫唱婦随というか婦唱夫随というか。絶妙のコンビネーション。呼応しあう才能。
他にもこのコンビの作品を観てみたい。あ、それに‘レオン’も観ようかな?
今回のトラウマはグロリアが乗り込む食事中のタンジーニ一味のなかでひとり、
テーブルから離れた席でずっと微笑みながら座っているおじいさん。いったい誰?