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トラウマティック銀幕 インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

吸血鬼ものは好きだよ。それにニール・ジョーダンも好き。
では、なぜこの映画を観ていなかったって?
トム・クルーズが好きじゃないからだよ〜ん。

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア


ホテルの一室でジャーナリストのマロイはある男をインタビューしようとしている。
「わたしはヴァンパイアだ。人間でなくなって200年たつ」
1791年、死産で妻を亡くした半年後、農園主のルイは自暴自棄の生活を送る。
酒とギャンブルと女に溺れて農園を手放し、もはや生きる意欲を失っていた。
娼婦でも強盗でも誰でもいいから自分の命を奪ってほしいと願うルイを襲ったのは、
ヴァンパイアのレスタトだった。「君の苦痛を取り除き、永遠の若さを与えよう」
決めるのは君だと言われ、日の出の光に別れを告げて新しい人生を迎える決心をする。
ヴァンパイアの目で見た世界は美しかった、明かりや十字架は平気、棺で眠る。
だが、ルイにとって受け入れ難かったのは血を得るためにひとを殺すことだ。
「自分が殺し屋だということを自覚しろ」と言うレスタトのようにはひとを殺せない。
レスタトに半殺しにされてとどめをさすよう娼婦に嘆願されても、ルイは街へ逃げ出す。
ペストで立ち入り禁止内で母の死体に寄り添う少女に抱きつかれ、血を吸ってしまう。
自己嫌悪のまま廃墟に座るルイにレスタトは見せたいものがあると家に連れ帰る。
ベッドにはさっきの少女クローディア。瀕死の彼女にレスタトは自分の血を与える。
自分から離れそうなルイを引きとめるためだったが、ルイもレスタトも少女に夢中になる。
ふたりの男から甘やかされ、殺し屋としての非凡な才能を発揮するクローディア。
三十年後、クローディアは苛立ちをぶつけるようになる。「私は大人になれないの?」

人間の心を持ち続けて苦悩し続けるルイ、子供の身体と大人の心を呪うクローディア。
欧州の古株ヴァンパイアから見るとルイは憧れの的となり、少女は異端扱いされる。
だって、本流ヴァンパイアは後悔などしないものだから。選ばれしもの。特別な存在。
新大陸の米国ヴァンパイアは新鮮だけど、掟破りだなあ、シメてやれってことになる。
血なまぐさくて凄惨なヴァンパイア・ルイの哀しい運命にホロリとさせられると思いきや、
それまでの悲壮感を一掃するような、あの軽薄そうなトム・クルーズならではの結末。
なんでや〜?なんでや〜?ま、ニール・ジョーダンならではのヒネリというか?
綺麗どころ揃いでも‘ポーの一族’みたいな深さは期待できない。音楽もガンズだし…。
今回のトラウマはその綺麗どころ。リヴァー・フェニックスが亡くなっていなかったら、
インタビューアーは彼だった。鉄壁の綺麗どころ揃いとなっていたんだろなあ(涙)。