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トラウマティック銀幕 銀河鉄道の夜

数年前、天文ショーが目白押しの年があった。金環食や金星の太陽横断に金星食
童心にかえってワクワクしたのに、あらためて老いを痛感させられた。
金環食はOKだったんだけど、老眼のため金星は小さすぎて見えないのだ!!!

銀河鉄道の夜

学校の授業で先生に質問されて答えられないジョバンニ。居眠りのせいだ。
父は北に漁に出たきり帰って来ない。病身の母のために朝夕働いている。
クラスメートのザネリは漁じゃなくラッコの密漁をして監獄に入れられたと噂する。
ジョバンニをかばって友人カンパネルラは先生に同じ質問をされて答えずにいる。
授業が終わるとクラスメートはみんな川に流すカラスウリを探しに行くが、
ジャバンニはアルバイト先の活版所へ行き、割り当てられた活字を組む。
仕事を終えて給金をもらい、家に帰る途中に買い物。店から黒づくめの男が出てくる。
何かを落としては拾い、「この切符を落としたら大変だ。汽車に乗れなくなってしまう」
ジョバンニは店でパンと角砂糖を買って家に着くと、母が牛乳が届いていないと言う。
「牛乳をもらいに行ってから星まつりをのぞいて来るよ」「川に入っちゃだめよ」
農家に行くと老婆が出てきて、自分ではわからないからあとで来るように言われる。
祭りのある十字の広場に行くと、ザネリがラッコの上着と言いジョバンニを仲間はずれ。
ジョバンニはひとり町はずれの天気輪の柱の丘で、草むらに寝ころび銀河をながめる。
すると、とつぜん空から汽車が降り立ち、気がついたらジョバンニは客車にいる。
汽車が<銀河ステーション>を発車するさなか、窓からカンパネルラが飛び込んでくる。
「他のみんも走ったけど、間に合わなかったよ」「ずいぶん濡れてるじゃないか」
カンパネルラは黒曜石の地図を持っていて、これからの停車駅を教えてくれる。
北十字><プリシオン海岸><白鳥のステーション><アルビレオの観測所>。
だが、カンパネルラの顔色が暗い。「お母さんはぼくを許してくださるだろうか」
ジョバンニはうれしかった。「どこまでも一緒だよ」カンパネルラは弱々しく微笑む。

おデブ猫ヒデヨシが活躍する‘アタゴオル物語’と同様、ますむらひろしの描く世界は、
美しくも茫漠たる怖さの宇宙風景、昼は南イタリアのような街並み、夜は怖い町はずれ、
夢見るように美しい詩情あふれる世界が拡がり、細野晴臣の音楽がさらに彩る。
セリフは少なめ、感情表現も控えめ、登場人物のほとんどを猫にして成功かと思いきや、
乗っていた船が氷山に座礁して人間が3人登場。青年と少女と男の子がとても違和感。
なんかあだち充っぽいと思ったら、監督の杉井ギザブローは‘タッチ’のひとだった…。
全部猫で良かったんじゃないかな?と、猫好きだからあえて言う。‘タッチ’はなあ…。
今回のトラウマはなんだか怖いジョバンニの家族。姿を見せない姉と声だけの母。
もしかしてお母さんはすでに死んじゃっていて、お姉さんが声色でまねているとか?