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トラウマティック銀幕 小さな恋のメロディ

ビージーズがとうとうお兄ちゃんひとりになってしまった。
実はこの映画、音楽は知ってたけど通しでちゃんと観たことがなかった。
監督は全然知らないひとだけど、脚本はアラン・パーカーなの?!

小さな恋のメロディ


ダニエルは地域の少年隊に入隊。そこにはクラスメートのトム・オーンショーがいる。
不良っぽいトムのグループにダニエルは入りたくて、放課後にあとをつけたりする。
他の子がスパイだと言って仲間はずれにしようとするが、トムはダニエルを歓迎する。
ある日の放課後、ふたりでウェストを探検。遅くなりダニエルがダクシーをつかまえる。
家に到着。ダニエルは映画に誘う。「伯父さんからお小遣いをもらったからお金がある」
「おまえの金なんかいらない」うなだれるダニエルに「おじいさんに怒られるんだ」
老いたおじいさんの世話や料理や掃除をすると言う。「だったらママにやってもらおう」
もちろんダニエルのママは約束を反故にする。ひとと会う約束があるらしい。
ダニエルのママはテレビ局プロデューサー。新しいパパとダニエルはしっくり行かない。
「ママは来られなくなったけど、ぼくが代わりに働くよ」トムはダニエルを家にいれる。
ある日、トムともうひとりグループの仲間とバレエのクラスを覗き見をしていると、
ひとりの少女の姿が目に飛び込んでくる。それ以来、ダニエルはいつもメロディを探す。
テストのため音楽室に行くとメロディがいる。彼女のリコーダーにチェロで合奏する。
ダンスパーティーでダニエルはメロディとトムは彼女の友人と踊る事に。
嬉々として踊るダニエルとメロディをよそに、嫌々踊るトムはその友人を泣かせる。
運動会でスポーツが苦手なダニエルはメロディを想い一等賞。ゴール後に失神。
優等生のはずがダニエルはラテン語の宿題を忘れ、同じく忘れたトムもむち打ち罰に。
トムに教わってズボンの下にタオルを入れるが、ダニエルだけばれてしまう。
泣きながら来るダニエルをメロディが待っていた。ふたりはトムを置いてきぼりに。
ある日、ふたりは授業をさぼって海辺でデート。でも、校長室に呼び出される。
「君たちにはもっとやるべきことがあるだろう」「はい、ぼくたち結婚します」

子供のたわいない純愛映画と思うなかれ。ひと筋縄ではいかない要素を含んでいる。
まずは階級問題。ダニエルはミドルクラス、トムとメロディはワーカー。
恋に盲目で屈託のないダニエルには垣根は見えないが、トムとメロディには見える。
貧しいトムや保釈中の父を持つメロディは、恵まれた家庭のダニエルより成長が早い。
もちろんダニエルにもぼんやりと感じるものはあるだろう。母の過保護と継父の無関心。
次に詰め込み教育と毎度おなじみの体罰。今回は低年齢層でムチでなくスリッパだが。
カリカチュア化された事無かれ権威主義の校長先生の語る言葉は生徒には通じない。
手作り爆弾で車は爆破されたけど、‘If、もしも…’みたいに銃撃戦にならずに良かった。
今回のトラウマは子役のその後。すぐ引退一時復帰したトレイシー・ハイドはまだいい。
マイケルが亡くなって‘親友’としてインタビューを受けたマーク・レスターは残念。
役者を細々と続けていたジャック・ワイルドは癌で亡くなってしまった…。合掌。