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トラウマティック銀幕 ドラキュラ

ちょっと前にコッポラの‘ヴァージニア’を観た。
エドガー・アラン・ポーとヴァンパイアが交錯する不思議な映画だった。
でも、もっと不思議なのはコッポラ。本国アメリカでは公開されなかったって?

<ドラキュラ>

15世紀、トランシルヴァニア国王ドラクルは新妻エリザベータを置いて、
トルコとの戦争に出立。激しい戦いに勝利をおさめて急いで帰国するが、
待っていたのは妻の死。配送するトルコ軍がドラクル死亡の偽の手紙を送り、
絶望のあまりエリザベータは川に身を投げて死んだ。妻を悼むドラクルに、
司祭は冷たく言い放つ。「自殺は罪だ。未来永劫にわたって呪われる」
その言葉にドラクルは怒り狂う。「神の教会のために戦ったのに!!」
ラクルは教会の十字架に剣を突き立て、流れ出る血を飲み復讐を誓う。
19世紀末ロンドン。ジョナサン・ハーカーはトランシルヴァニア行きを命じられる。
ドラキュラ伯爵が英国に不動産を購入を希望しており、その契約のために向かう。
前任者のレンフィールドはトランシルヴァニアから戻って、精神病院に入っている。
ジョナサンは結婚間近の婚約者のミナを残して、ドラキュラ伯爵の住む城に旅立つ。
ミナは家庭教師をやめ、婚約者が戻るまで幼友達の令嬢ルーシーの家に身を寄せる。
さて、真夜中に城に到着したジョナサンを伯爵みずから迎え、食事をふるまう。
契約書をとりかわしたあと、伯爵はジョナサンが持つミナの肖像に目をとめる。
「婚約者です。伯爵の奥さまは?」「彼女は死んで幸福だ。残されたわたしが不幸だ」
伯爵の涙を流す。ミナとエリザベータは瓜二つだ。「彼女はきっといい妻になるだろう」
ジョナサンは英国で生活する上で必要なことを伯爵に教えるため一ヶ月滞在を延長。
城は古いから決まった場所で寝るように言われ、怪しく思ったジョナサンは城をさぐる。
ある部屋に入ると三人の女性から誘惑され、身をゆだねようとする寸前で伯爵が妨害。
血を欲しがる彼女たちに、伯爵は赤ん坊を与える。「彼はわたしのものだ」
翌日、ジョナサンが城の地下の霊廟に行くと、男たちが土を木の箱に詰めている。
詳しく調べようと彼が霊廟に入ると、突然、安置してあった棺のふたが開いて…。

ゲイリー・オールドマンのドラキュラ伯爵にすっかり魅了されてしまった。
ドラキュラ映画をいっぱい観てきたけど、その前日譚を描いているのはこの映画だけ。
おぞましいヴァンパイアとして400年たったあと、妻の生まれ変わりと遭遇。
ひたすら見つめ姿を追う。どストレートなアプローチに、ミナもしだいに魅かれていく。
もうキアヌ・リーヴスのジョナサンなんかええから、婚約解消しちまえって思ったよ。
いつもゲイリーのカメレオンぶりには驚かされるが、今回は映画のなかで化けまくり。
そりゃ特殊メイクの威力もすごいけど、老壮獣怪の演技分けを楽しみながらやっている。
ミナのウィノナ・ライダーはキャラが強すぎるのが功を奏して、ヴァンパイア後がいい!
アンソニー・ホプキンスヘルシング博士は色仕掛けに弱くちょっと胡散臭いのがいい。
影の動きを多用するのは、古典名作の‘ノスフェラトゥ’へのオマージュかな?
今回のトラウマはトム・ウェイツのレンフィールド。精神病院に入れられて、
虫とかクモとかミミズとか食べるんだけど、役にはまりすぎて逆に不気味じゃないぞ!