guracolo docolo

摩訶不思議な guracolo ワールドへようこそ!

トラウマティック銀幕 TOMMY

エルトン・ジョンの‘ピンボールの魔術師’の場面しか知らず、
主人公であるはずの三重苦のトミーがどうしてどうなるかってことが、
わからないまま今までずっと置きっぱなしになっていたじゃないか!

<Tommy>

英国空軍のパイロットだった夫ウォーカーは戦死、妻ノラは戦勝に沸くなかトミーを出産。
ノラは6才のトミーとバーニーのホリデイ・キャンプに参加。従業員のフランクと恋仲に。
だが、戦死したはずのウォーカーが帰還。フランクとベッドにいるノラに詰め寄る。
動転したフランクはウォーカーを誤ってランプで殴り殺してしまう。
間の悪いことに、その場面をトミーが目撃。フランクとノラはトミーに迫る。
「何も見ない。何も聞かない。何も話さない」それ以来、トミーは三重苦となる。
母は息子の障害を治すため教会にすがろうとするが、トミーは偶像を破壊。
ストリップ小屋を経営するフランクは店のアシッド・クィーンにトミーを託すがだめ。
いとこのケヴィンに預けるといじめられ、アーニーおじさんに預けるといじられる。
それでも、トミーは何の反応も示さない。ただ、不思議なのは鏡を見つめること。
ある日、その鏡から分身が現れ、トミーを自動車解体工場へと誘う。
そこで見つけたのはピンボール・マシン。トミーは夢中になって遊びだす。
それに目をつけたのはフランク。三重苦の青年とチャンピオンによるピンボール対決。
見事に勝利したトミー。富と名声を手にしても、ノラは三重苦の息子には無意味と嘆く。
フランクは名医を見つける。医者は言う。「心の障壁を除いて、彼自身が治すしかない」
そこでノラは鏡を見つめるトミーにとった行動とは…。

アクの強い魔術師エルトンや薬女王ティナ・ターナーに、飄々とした牧師のクラプトン。
でも、一番の強トラキャラは少年いじり癖のあるアーニーおじのキース・ムーン
トミーの三重苦が治ってめでたしめでたしの映画かと思いきや、さにあらず。
治癒後もすったもんだがあって、最後は唐突的に悟りを開いて山を登る。
抽象的だったコンセプトアルバムのトミーが、ケン・ラッセルの映像化でわかりやすく?
ピート・タウンゼントの描きだす世界観は独特で、四重人格ってのも相当のものらしい。
あれもスティング出演の‘さらば青春の光’というトラ映画に。映画化されやすい?
トミーのロジャー・ダルトリーは当然だけど、ノラのアン・マーグレットの歌唱力は凄い!
フランク役の怪優オリヴァー・リードの歌声は可愛いすぎて、完全に喰われている。
今回のトラウマはイマイチ存在感の薄かったジャック・ニコルスンの名医。
監督はクリストファー・リーマイケル・ケインに出てほしかったらしい。アク不足や。