トラウマティック銀幕 猟奇的な彼女
韓国語で‘けったいな彼女’っていう意味らしい。
なぬぅ〜?そんなこととはつゆとも知らなかったから、
イケナイことやアブナイことばかり妄想してしまったじゃないか!
<猟奇的な彼女>
兵役を無事終えて学生復帰のキョヌは友達と飲み会。そのとき携帯電話が鳴る。
「叔母さんちに寄りなさい。息子を亡くしたばかりで寂しがってるから」
有無を言わせない母親の高圧的な口ぶりに、生返事で応じてすぐに電話を切る。
その帰り、プラットホームから落ちそうな酔っ払いを助けて、知らん顔をされる。
別にかまわないけど。彼女はキョムの好みだけど、泥酔いだからパス。
でも、気になって車内で近くにいると、彼女は座っている若者を叱る。
「立て!老人に席をゆずれ!」老人は礼を言って座るが、彼女の様子が変だ。
吐き気をもよおしている。老人の頭にゲロを吐き、キョヌにダーリンと言って気絶。
老人に恋人だと勘違いされて怒られ、キョヌは服を脱いでゲロを拭きとり介抱。
改札を出て旅館やホテルの部屋を探すも全て満室。仕方なくラブホテルに担ぎ込む。
シャワーで汚れた身体を洗っていると、彼女の携帯が鳴ったのでそれに出て、
ホテルの名前を言うと、警察が部屋に突入し、キョヌは留置場へ入れられる。
翌日放免され朝帰り。母親は手荒く出迎える。「叔母さんちに行かなかったね!」
工学部の授業に出ていると、昨日の彼女から電話。「昨夜のことを話せ!」
カフェに呼びだされて、すべてを話しても彼女はまったく覚えていない。
場所を変えて酒場に。援助交際らしき男女を妨害したあと、酒をあおって涙を流す。
「実はわたし、昨日好きなひとと別れて…」また気絶。キョヌが担いで昨夜のラブホへ。
酔って眠る彼女を見つめながら、キョヌは決心する。「彼女の心の傷を癒してあげよう」
だが、難行続き。注文は彼女が決める。脚本家志望で面白くないシナリオを読まされる。
単位の落とせない授業を抜け出させる。教授にキョヌの子を身ごもっていると大ウソで。
一緒にゲームをしても、スポーツをしてもこてんぱん。逆らうと鉄拳制裁。
会うのをやめようとしても、勝手に携帯で呼び出される。「来なきゃ殺すぞ!」
彼女の誕生日に何か喜ばせろと言われ、キョヌは彼女を夜の遊園地へと誘うが…。
だんだん主演のふたりが黒谷友香と山里亮太のSMカップルに見えてくるぞ。
結局、題名どおり彼女は相当のS。ビンタもグーも連発。水へ落とし、山を登らせる。
キョヌの母親はそのときに手に持っているもので彼を殴り、叔母は彼の顔を捏ねる。
もう環境的にM。彼女が心の傷を抱え元気そうにふるまうのなら、献身的にMをやる。
でも、それでいいのか?ってところでメロドラマ的に。SがSに成りきれなかったのね。
韓国人にはアクションより恋愛、悲しい結末がウケルってキョヌが分析したわりには、
オチはこうなるのか!ってことに。冒頭と結末がうまい具合に繋がる。うますぎるぞ。
超美人なのにゲロ吐きや白目をむいた泥酔いなど捨て身演技の彼女のチョン・ジヒョン、
トホホだけど思いやりと根性のあるところを見せるキョヌのチャ・テヒョン。
今回のトラウマは夜の遊園地に潜む脱走兵。彼女を取られ、メスの飼い犬は駆け落ち、
不幸の極めつきは97%の確率でウンコを踏む。100回中97回!相当ウンがつく。