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トラウマティック銀幕 アンダルシアの犬

最近、BSプレミアムの映画はマンネリ気味だなあ。
仕方ないから図書館をチェック。千葉市図書館はなかなかの品ぞろえ。
それもタダだし〜。いっぱい借りるぞ〜!

<アンダルシアの犬>

昔々ある所に…。カミソリをとぐ男がいました。
雲が満月をよぎるように、男は女の目をカミソリで切り裂きました。
その八年後…。ヒラヒラの服を着た男が自転車で女の家に向かいました。
しかし、バランスをくずして倒れ、舗石に頭をぶつけて死にました。
女は男が着ていたヒラヒラの服をベッドに並べ、なにやら念じます。
いつの間にか別の男がドアの脇にいます。手のひらの穴からアリが次々に出てきます。
驚いて見つめていると、なぜかそれが砂浜に横たわる女の腋毛からウニへと変化。
すると下の路上が騒がしくなり、ふたりが窓から見おろすとひとだかりしています。
その真ん中で、道にころがっている切断された右腕を若い女性が棒でつついてます。
警官がその右手を拾いあげるとバッグに入れて女性に渡し、群衆を立ち去らせます。
女性は路上に立ちつくし、横を車が通り危ないと思っていると、女性が車に轢かれます。
目撃した男は急に興奮をおぼえ、女の胸をまさぐります。白目をむきヨダレを流して。
女は男から逃れ、壁にかけていたテニスラケットで身を守ろうとしました。
男はたまたま床に置かれていたロープを手にして女に迫ろうとしますが、
なぜかロープにはふたりの聖職者と、腐乱したロバを乗せたピアノが繋がれています。
女は隣の部屋に行こうとしますが、ドアをとらえた男の手からアリが湧きます。
その手をドアに何度もはさむと男が消えて、ベッドの上で自転車の男が蘇っています。
そこへもうひとりの男がやって来て、自転車の男のヒラヒラの服を窓から捨てます。
ふたりの男は同じ顔で、訪問者は六年前に自転車の男が射殺した幽霊だったようです。
女は自転車の男と向き合うと、男は自分の口を消して、かわりに女の腋毛をつけます。
激怒した女が部屋を出ると、そこは海辺で、若い男が時計を指さして怒っています。
女は若い男の機嫌をとって仲良く海辺を散歩。春になると海辺のふたりは…。

と、ストーリーを追う必要はない。辻褄の合わないまるで夢のなかの出来事だから。
そもそもこれはダリとブニュエルがお互いのイメージを持ち寄って作られたもので、
絵画ではできない表現を、当時まだ生まれたばかりの映画で実験的に試みたのだろう。
オーバーラップやトリック撮影など、映画ならではの特殊効果ももちろん駆使。
シュールレアリスム=難解ではなく、けっこう笑えるユーモアがチラホラ。
このふたりの次回作の‘黄金時代’も観たいなあ。千葉市図書館にはないけど…。
今回のトラウマはタイトル。一応、気をつけたつもりだったけど犬は見当たらず。
命名の理由とか何かあるのかな?やっぱり意味を求めてはいけないのかな?