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トラウマティック銀幕 ローズマリーの赤ちゃん

今回はミア・ファローよりもジョン・カサヴェテスを重点的に観ようっと。
それにしても、もしポランスキーがこの映画を撮っていなかったら、
身重の奥さんシャロン・テートは殺されなかったんだろなあ。ホラーな映画だなあ。

ローズマリーの赤ちゃん

古色蒼然としたアパートメントに若夫婦が引っ越してくる。
前の住人の老婦人は亡くなったばかり。89歳でも壮健だったのに急死。
なぜかクローゼットの扉をタンスで塞いでいたが、若夫婦は気にせず元に戻す。
そこは魔のアパートと呼ばれ、昔は子供を食べるトレンチ姉妹や霊媒師が住んでいた。
夫のガイは高い賃料に気が引けたが、建物が気にいったローズマリーに押し切られた。
ふたりとも迷信など気にしない。ガイは売れない役者でローズマリーは専業主婦だ。
ある日、ローズマリーは地下の洗濯室で隣のカスタベット夫妻の居候テリーと知り合う。
彼女は身寄りがなく、無職でヤク中になっているところを、夫妻に引き取られたらしい。
時おり隣から妙な声が聞こえてくること以外、若夫婦は新生活を楽しんでいたが、
ある日、ふたりが外食から戻ってくると、アパートメントの外でひとだかりしている。
テリーが飛び降り自殺。ローマンとミニーのカスタベット夫妻をローズマリーは慰める。
翌日、ミニーが訪ねてくる。「食事に来ない?ふたりきりじゃ寂しいの」
役をもらえずにがっかりしてガイは帰宅する。隣人との関わり合いを渋るガイは、
娘がわりを亡くした老夫妻を慰めるのはひと助けだとローズマリーに言われて承諾。
ミニーの料理は最悪だったのに、ガイは明日も行くと言う。「ローマンの話が面白い」
その日から何かとガイは隣に行く。居残るローズマリーをミニーは友人と訪ねてくる。
そして、チャンス到来。主演をゲットした役者が失明して、役がガイにまわってくる。
だが、思いもしない大役だ。ガイはローズマリーに目もくれず役作りに没頭する。
それなのに、ミニーからもらったタニスのお守りのにおいが嫌で捨てようとすると、
「もらったものはつけろよ!」と怒鳴りつける。ローズマリーは呆気にとられる。
ガイは態度を一変。「悪かった。そうだ、子供を作ろう!前から欲しいと言ってただろ」

夫ガイは役者としてイマイチだから、ローズマリーにいろいろ不審がられるだろなあ。
隣家のローマンとミニーのカスタベット夫妻の方がよっぽど千両役者だぞ。
せっかくのチャンスでゲットした大役もこれじゃすぐに降ろされてしまいそう。
妻や子供を差し出して悪魔に頼むなら、役よりも演技力をゲットすれば良かったのに。
そんなトホホなガイをジョン・カサヴェテスはキッチリ演じているのはわかるけど、
やはり憑依的な演技のミア・ファローに並ぶと、どうしても霞んでしまうなあ…。
彼女に太刀打ちできるのはミニー役のルース・ゴードン。悪魔のしもべのおばはん。
今回のトラウマはミニーの料理。ナイフで切れないステーキにパサパサのケーキ。
睡眠薬をチョコレートムースに盛るなら、もっと美味しくしないと食べないよ〜。