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トラウマティック銀幕 テオレマ

悪魔的魅力をたたえた若き日のテレンス・スタンプの主演映画。ようやく観るぞ。
パゾリーニものだから難解そうで二の足を踏んでいたんだけど。最後まで行けるか?

<テオレマ>

ブルジョアジーの一家に見知らぬ訪問者がやって来る。不思議な魅力の美貌の青年だ。
庭で読書中の青年を見つめるうちに、家政婦のエミリアはとつぜんガス自殺をはかる。
危ういところを青年に助けられ、涙にくれたままエミリアは青年に身をまかせる。
自室にもうひとつベッドが置かれ、青年と寝ることになったその家の長男のピエトロ。
寝姿に魅かれて青年に触れたのに気づかれて恥入るが、青年はそのままベッドに誘う。
母ルチアはソファに脱ぎ散らされた服に気づく。下着姿のまま庭で犬と遊ぶ青年。
その姿を見て裸になりベランダに横たわるルチア。戻ってきた青年は彼女を抱く。
父パオロの病気の看病をする長女オデッタ。青年が父の足を自分の肩に乗せると治癒。
オデッタは自分の部屋に青年を連れ、彼にアルバムを見せているうちに抱かれていく。
パオロは青年とドライブに出かける。はしゃいで野原に横たわる青年に誘われる。
そしてある日、青年に手紙が届けられる。彼はみんなに告げる。「明日、発ちます」

青年が去ってから一家はショックのあまり、廃人になったり、エセ芸術家を目指したり、
若い男を漁って教会に閉じこもったり、山で世捨て人になったり、聖人になって死んだり。
冒頭にブルジョア批判のインタビューと、所々に無人の工場と不毛の山の画像を挿入。
青年は神からブルジョア家族に送りこまれた天使か、それとも悪魔の使いか堕天使か?
青年と情を交わした家族はみんな、新しい価値観、新しい自分を知ったと打ち明ける。
でも彼が去ると、ほぼ全員が破滅の道をたどる。青年は蜜の味の劇薬だったのか?
背景にあるらしい当時の労働者問題の知識がまったくないから、ちょっとわかりづらい。
今回のトラウマはパンツ一丁で犬と遊ぶテレンス青年。なんか微妙。裸でええやん。