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新・トラウマティック銀幕:パターソン

〈パターソン〉
朝、目を覚まして、妻にキスして、輪っかのシリアルの朝食を食べて、
歩いて会社に行って、路線バスを運転して、滝のある公園で弁当を食べて、
家の前の傾いているメールポストをまっすぐに直して、妻と夕食を食べて、
犬を散歩に連れて行って、途中のバーで一杯やって、家に帰って寝る。
その合間合間にパターソンは詩作し、秘密のノートに書きつける。
単調に続く毎日のようだが、ちょっとした変化はある。
寝坊しかけたり、バスが途中で故障したり、妻がギターを買ったり。
行きつけのバーで彼女にふられた男が発砲騒ぎを起こしたり。
フリーマーケットに出した妻のカップケーキが売れて200ドル儲かったり。
その夜、お祝いとばかりにパターソンは妻と映画に出かけるが…。

超久しぶりのジャームッシュ作品。なんとジョニデの‘デッドマン’以来。
ほとんど同じ毎日の繰りかえしを淡々と飄々と描いていて、
とうとう彼も枯淡の境地に至ったのかと感慨にふけっていたら、
終盤に永瀬正敏をぶっこんできた。違和感たっぷりでシュールな会話。
やっぱジャームッシュはパンクなままがいい。よかった、よかった。

トラ銀ポイント:双子
パターソンの妻が双子を生んだ夢を見たと言ったら。
やたらバスの客のなかに双子の女の子とか双子のおばあさんが出現。
楽しくおしゃべりした詩作をする少女も実は双子だったことがわかる。
‘シャイニング’のトラウマがあるから双子はちょっとこわい。