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トラウマティック銀幕 Dr.パルナサスの鏡

パルナス、パルナス、モスクワの味、パルナス、パルナス、パルナ〜ス♪
関西人ならだれもが知っている、このCM音楽。
でも、実際にパルナスのお菓子を食べたことないのが、ずっとトラウマでした。

Dr.パルナサスの鏡

Dr.パルナサスの一座の時代がかった見世物馬車がロンドンの街を行く。
出し物の鏡の中に人が入ると、そこには摩訶不思議な世界が拡がり、
二つの選択をさせられる。一つは博士の、もう一つは悪魔の選択。
悪魔の甘い選択の方が人気があり、険しい山を登るような博士の選択は分が悪い。
日増しに博士の憂いが濃くなる。もうすぐ約束の期限が迫っているからだ。
あれは数世紀前の山奥の寺院。修行僧だったパルナサスの元を訪れたのはMr.ニック。
彼の正体は悪魔で、僧たちが唱える経文がいかに無意味なものかを示してみせる。
ニックから取引を持ちかけられ、思わずそれに乗ってしまうパルナソス。
永遠の命と引き換えに、娘が16歳になったら悪魔に差し出さなければならないのに。
娘のヴァレンティナの誕生日が3日後だ。なんとかいい手はないか思案に暮れる博士。
試しに引いたタロットカードは首つりの図で、見世物馬車が通る橋でも男が首を吊る。
ヴァレンティナが見つけて、一座の若者アントンと小人のパーシーと共に助け上げる。
記憶喪失だと言う男に博士は発明機械を操作。「名前はトニー、福祉関係の仕事だ」
悪魔は新たな提示をする。あと5人が博士の選択をすれば、娘は渡さなくていい。
でも、悪魔に勝てる見込みはないと落ち込む博士に、トニーはいいアイデアを出す。
有閑マダムを鏡の世界へとまんまと誘い込み、博士側を選択する4人をゲット。
ヴァレンティナは渡さずに済むと思いきや、マフィアが四人トニーを追って鏡の中へ。
実はトニー、福祉の仕事を名目に借金をして踏み倒し、マフィアから吊るされたのだ。
鏡の世界で悪魔側の選択はママ。マフィアはママに弱い。博士の優位は崩れてしまう。
危険が去り、しかも鏡の世界での名誉欲に溺れたトニーは、悪の本性を見せ始める。
心を寄せていたヴァレンティナは裏切られ、鏡の世界は崩壊し始める。

撮影時に亡くなったヒース・レジャーの代わりをジョニー・デップジュード・ロウ
コリン・ファレルが演じるって、観る前はちょっと、いやかなり不安だった。
杞憂でした。このケイオティックな鏡の世界なら、すべてが可能。力技OK!
ギリアムチックなウニョウニョ、グニョグニョした妄想世界が万華鏡のように広がる。
今回のトラウマは山寺で宙に浮くカーペットに座って経文を読む修行僧たち。
悪魔のミスター・ニックが彼らの口をキュッと内側に引き絞ったように閉じてしまう。
それがまるで‘鴨川ホルモー’の鬼の弱った顔。思わずレーズンをあげたくなったぞ。