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トラウマティック銀幕 エル

先鋭的なインディー・レーベルの創始者マイク・オールウェイは、
ブニュエルの信奉者。だから、レーベル名はこの映画にちなんだって。

<エル>

教会でフランシスコはある美しい女性に心を奪われる。
名家の出の彼は土地をめぐる訴訟がうまくいかず、弁護士をクビにする。
悩みを抱えて再び教会へ。そこであの美女と再会する。
「あなたに会うために毎朝、毎晩、この教会に来ました」
「あなたとは二度と会いません」彼に魅かれるものを感じながら、女は立ち去る。
フランシスコがそのあとを追うと、女は彼の知人とレストランに。
その知人は建築家のラウルで、女はその婚約者のグロリア。
そしらぬ顔でラウルを自宅のパーティに誘うフランシスコ。婚約者同伴で。
パーティに来てみるとホストはフランシスコなので戸惑うグロリア。
でも、彼の情熱的なアプローチに負けてしまう。婚約は解消し、フランシスコと結婚。
数ヵ月後、ダム建設現場から長い出張を終えて街に戻ったラウル。
通りで偶然グロリアを見つける。焦燥しきっている。車の中で全てをラウルに話す。
始まりは新婚旅行。ラウルやグロリアの知り合いの男へのフランシスコの執拗な嫉妬。
旅行から戻ると、グロリアの母親にも会わせてもらえず家で軟禁状態。
新しく依頼した弁護士にも色目を使ったとか、誘惑したとか。
母親に相談しようとしても、フランシスコに先回りされて母は懐柔されてしまう。
馴染みの神父に相談しても、妄想だと相手にされない。逆に非難されてしまう。
そして、ラウルに会う直前、教会の塔の上から嫉妬に狂う夫から突き落とされそうに。
夫は冗談だと言うが、彼の正気を疑うグロリア。でも、別れる決心はつかない。
そして、ラウルに車で送られてきたのを見つけたフランシスコは…。

怖い!フランシスコ役のアルドゥーロ・デ・コルドバの演技が凄まじい。
まずは情熱たっぷり、そして、新婚旅行での専横ぶり。妻と関わる全ての男に嫉妬、
悪いのは妻だと責め立ては後悔、突如強気になっては突如弱気に〜。
しだいに常軌を逸してゆき、明らかにアブナイのにグロリアはなかなか逃げない。
母性本能みたいなものが働いているのか?意外と開放的美人で、肝がすわってる。
ちょっとジーン・シモンズに似たデリア・ガルセス。毅然とした芯の強さ。
今回のトラウマは、精神に異常をきたしたフランシスコは家の階段を蛇行して上がる。
最後に修道士となり、修道院長に狂気はすでに癒えたと言うフランシスコ。
グロリアの訪問を知り、後を追うように修道院の門へと歩く。蛇行しながら…。