トラウマティック銀幕 ブルーベルベット
映画界の反逆児デニス・ホッパーが亡くなってから、まあまあたったなあ。
彼の代表作と言えばやはりこの作品かな?かなり遅ればせの追悼。
強トラ監督デヴィッド・リンチ作品の中でも極めつきの映画!
<ブルーベルベット>
青い空、赤いバラ、赤い消防車、赤いストップの標識、赤い服の小学生の女の子。
ある郊外の街の午後の昼下がり、庭で水撒きをする初老の男性が突然倒れる。
入院したその男性を見舞うのが、大学生の息子のジェフリー・ボーモント。
病院から家に戻る途中にある野原である物を見つける。切り取られた人間の耳。
ジェフリーはそれを紙袋に入れて、警察に届ける。ウィリアムズ刑事が対応。
野原は封鎖され捜査されたが、他には何も見つからない。
ジェフリーはウィリアムズの家を訪ねるが、何も教えてもらえない。
でも、刑事の娘のサンディーが電話で話す父の話を断片的に聞いていた。
怪しいのはクラブ歌手のドロシー・ヴァレンズ。リンカーン通りのアパートに住む。
好奇心からジェフリーはサンディーの協力を得て、ドロシーのアパートに忍び込む。
衣装ダンスの中に隠れて、戻ったドロシーを覗き見る。女は服を脱いで風呂に入る。
タオルで濡れた体をふき、衣装ダンスに手を伸ばそうとした時、電話が鳴る。
「フランク、ドンと話をさせて。お願いだからドンを私に返して」
電話を切って涙にくれるドロシー。ジェフリーは衣装ダンスで物音を立てて見つかる。
ドロシーにナイフで脅され、全裸にさせられるジェフリー。ベッドに横たわる二人。
ドアベルが鳴る。ジェフリーを衣装ダンスに隠して彼女が招き入れたのがフランクだ。
怒鳴りつけ、殴りつけてのファック。ドロシーはおとなしくされるがままだ。
フランクが帰り、なぐさめようとするジェフリーにドロシーはぶってくれと言う。
キュリオシティ・キルド・ザ・キャット。ジェフリーの好奇心はとんでもない事に。
ジェフリーもさるもの。肝っ玉が据わっている。おまけになかなかの美形。
ドロシーが秘密の恋人にしようとし、彼氏のいるサンディも彼に乗り換える。
初めて観た時は、放送禁止用語ファックを連発するデニスのフランクに引いていた。
でも、エディプス・コンプレックスでSで懐メロ好きの悪党キャラは彼ならでは。
バスクリンのCMで「アヒルちゃん」とお風呂に入ったお茶目なキャラが懐かしい。
今回のトラウマは、イザベラ・ロッセリーニの気合い。演技も歌も下手だけど、
そんなのはもう、どうでもよくなるくらいの迫力で演じてたぞ。