guracolo docolo

摩訶不思議な guracolo ワールドへようこそ!

トラウマティック銀幕 あの胸にもういちど

前から気になっていたマリアンヌ・フェイスフル。
歌手で女優でミック・ジャガーの元恋人。
波乱万丈の人生はもう少しでこの映画の結末みたいなことに…。

<あの胸にもういちど>

レベッカが大学講師のダニエルに出会ったのは、店番として働く父の書店。
二度目に会ったのはスキー場。恋人のレイモンや友人たちと酒場で楽しんでいるなか、
カウンターから熱い視線を送られる。レイモンの手前素知らぬふりをする。
その夜、寝室にやってきたレイモンに対してその気にならずに寝たふりをする。
夜更けにまた忍び込んでくる。今度は受け入れると、実はレイモンではなかった。
休暇を終えて書店に戻ったレベッカの元へ数週間ぶりにダニエルがやって来る。
結婚すると聞いて怒っていたが、我慢できずにバイクでやってきた。
「結婚するのは娼婦にならないため。あなたから逃げるためよ」
山上のホテルでの密会。レベッカは酒の飲み方やバイクの乗り方を教わる。
そして、ダニエルから結婚祝いとしてバイクがプレゼントされる。
小学校に教師として赴任するレイモンとともにレベッカはフランス郊外の町に。
まだ二カ月の結婚生活も、墓場と兵営しかない町にももう飽き飽きだ。
早朝、もし、夫が起きたらやめよう。素肌にレザースーツを着てバイクに乗る。
国境を越えて目指すのはハイデルベルク。ダニエルが住む街だ。
でも、自分は人として見てもらえない。可愛いとさえ言ってくれない。
求められているのは身体だけだ。ダニエルが愛するのはだれか死んだ女性だけ。
今度こそ本当に最後にしよう。涙を流し、笑いながらバイクを疾走させるレベッカ

パウエル&プレスバーガー作品などの名カメラマン、ジャック・カーディフの監督作品。
全編の半分ぐらいがレベッカのバイクに乗るシーンで、いろいろ工夫があって面白い。
でも、二人乗りで会話したりするシーンは仕方ないね。当時の技術では難しかったね。
さすがの色彩感覚が随所に。レベッカの妄想サーカスとか、サイケなSEXシーンとか。
アラン・ドロンはアカデミックに見えないけど、悪魔的魅力で女性を虜【とりこ】にする。
でも、世の男性を虜にしたのはレザースーツ姿のマリアンヌ・フェイスフル。
峰富士子のモデルになったらしい。グラコロが見ても惚れぼれするくらいカッコイイ!
ダニエルとの密会を追想・妄想しながらバイクに乗るシーンでの恍惚の表情。
演技があまりにも自然なので深読みしてしまうぞ。すでにこの頃から…。
今回のトラウマはダニエルさまのお言葉。「バイクを股間で感じろ」原付じゃだめよね。