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トラウマティック銀幕 死刑台のエレベーター

閉所恐怖症気味なのかエレベーターは大の苦手。
だから昔からこのタイトルが気になっていて、妄想を膨らませていた。
ドアが閉まると毒ガスが噴出するとか、ギロチンドアで首をチョッキンとか…。

死刑台のエレベーター

女が涙ながらに「愛してるわ」。男も「ぼくもだ」。男女が電話で話す。
女はフロランス・カララ。夫は内務大臣にまで顔がきく武器輸出会社の社長夫人。
男はジュリアン・タヴェルニエ。社長の右腕。元大尉でキャプテンと呼ばれる。
ふたりは不倫関係にあって、邪魔者を消すことに。終わったらカフェで落ち合う。
ジュリアンはアリバイ工作をして社長殺害。カフェに向かおうと車に乗って気づく。
社長の部屋に行くのに外壁を登った時に使ったロープを垂らしっぱなしだ。
急いで会社に戻ってエレベーターに乗るが、退社時間なので守衛が電源を落とす。
エレベーターに閉じ込められ、なんとか脱出を試みるジュリアン。
花屋の前にあったジュリアンの車を店員ヴェロニクのバイク窃盗犯の恋人ルイが盗む。
カフェで待っているフロランスは車と助手席にヴェロニクが乗っているのを目撃。
「あんな娘が車に?殺すのをやめたのね」ジュリアンを探し求めて夜の街を歩きまわる。
若いカップルは車内を物色して拳銃発見。ベンツに追い抜かれて、モーテルまで追う。
乗っていたのは観光旅行中のドイツ人夫妻で、なぜか親しげに夕食に招待される。
ルイの狙いはベンツ。早朝、こっそり盗もうとして気づかれて夫妻を射殺する。
ヴェロニクの部屋まで戻り、睡眠薬自殺を図ってふたりとも眠り込む。
殺人犯を追う警察はモーテルの宿泊名簿を調べると、そこにジュリアンの名前が…。

エレベーターに閉じ込められるは、知らない間に別件で殺人犯にされるわ…。
モーリス・ロネ演じるジュリアンは運の悪さって。もしかしたら女運も?
戦時中の英雄が死の商人の元で働くという屈折感を抱え、工作員の能力を駆使し、
完全アリバイの密室殺人に間抜けな落とし穴。普通ならありえない。悪霊の仕業か?
だって、ジャンヌ・モローのフロランスは完全にいっちゃっている。憑りつかれている。
夜の街を彷徨する表情が凄まじい。男への妄執というか、絶対にとり殺されるぞ。
男を狂わす悪女かもしれないけど、自分も一緒に破滅にまっしぐらって感じ。
ルイ・マル25歳の才能とセンスの良さ。ノワールにはジャズ!でマイルス・デイヴィス
アンリ・ドカエのハンディ・カメラが夜のパリの孤独で危険な別の顔を見事にキャッチ。
今回のトラウマは不審人物としてフロランスと共に連行されるジュリアンの知り合い。
フロランスの肩にしなだれかかるのは酔っ払ってるふり?素面なら怖くてできないよね。