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トラウマティック銀幕 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

夏の終わりにまたまた音楽ものを。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

1998年3月。ライ・クーダーと息子のヨアキムはハバナを再訪。
二年前にレコーディングしたソシアル・クラブと今度はコンサートをやるのだ。
4月はアムステルダム、そして7月にはメンバー待望のカーネギーホール
メンバーの最長老は1907年生まれのコンパイ・セクンド。ギターとヴォーカル。
驚異のテクニックを持つピアニストは1919年生まれのルベーン・ゴンザレス。
キューバナット・キング・コールと称されるイブライム・フェレール
紅一点ヴォーカルのオマーラ・ポルトゥオンドなど他にも超ベテランが揃う。
実は彼らはキューバでは長らく忘れられた存在になってしまっており、
イブライムは歌手をやめて靴磨きをしていたり、ルベーンも十年前に引退していた。
でも、ライ・クーダーがCD製作のためにキューバのベテランミュージシャンを召集した。
バンドの名前はかつて人々が集い、バンド演奏に歌い踊った名クラブの名前に由来。
BVSCのCDがグラミー賞を受賞して以来、メンバー個々が忙しく活動するなか、
最後のコンサートのためにカーネギーホールのあるニューヨークに結集する。

ヴィム・ヴェンダースの作品のどこに魅かれるかというと、無常感みたいなものかな?
変わりゆくひと・もの・街をウェットじゃなくドライに淡々と、でも愛情深く映し出す。
この作品の数年後、主要メンバーは亡くなっている。老ミュージシャンのなかでも、
比較的若いエリアデス・オチョアが言う。「彼らの姿を撮っておいてほしいんだ」
これはやはり映画館の大画面で観なきゃなあ。ライブ感をぜひとも味わいたい。
今回のトラウマはイブライムの自宅の神棚。ラサロを奉っているんだけど、
お供え物がハチミツ、香水、ラム酒、妻の手作りのメレンゲ。ラサロって甘辛党?