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トラウマティック銀幕 石の花

旧ソ連時代の46年作品。カラー作品だけど、たぶん白黒映画の着色したもの。
この不自然さが幻想的な映像にさらなる効果を与えている。
監督は映像の魔術師と言われたアレクサンドル・プトゥシコ
以前取り上げた「妖婆・死棺の呪い」で特撮監督と脚本担当だったひと。

<石の花>



石工名人プロコピチは老いて病身、地主の依頼を満足に果たせない。
弟子を育てようとしても、教えが厳しすぎるせいか誰もいつかない。
地主から強引に牛飼いの孫を弟子にとおしつけられると、ものを見る目がある。
その少年ダニーラは成長し、親方の仕事もこなすほど、石細工の腕前を上げていた。
地主の妻から花瓶を作るよう命じられ、製作に没頭する。
カーチャという恋人がいたが、仕事を優先するためになかなか結婚できないでいた。
ようやく花瓶が完成し、親方は石工仲間を家に呼んで料理を囲んで祝う。
でも、なぜか浮かない顔のダニーラ。まだ石をとらえきれてないからだ。
仲間が言う。「銅山に咲く石の花を見ればいい。見た者はだれも帰って来ないけど」
なぜなら、そこには銅山の女王が住むからだ。
その日から銅山行きを迷うダニーラ。でも、やっぱりカーチャとの結婚を選ぶ。
婚礼の宴たけなわ、ダニーラは銅山の女王の声を聴く。
宴会を抜け出し、完成したはずの花瓶を割り、雪が降る中、山へと向かう。

たぶん全てスタジオ撮影で自然の風景を再現。小動物はまだしもオオカミとか牛とか、
全部スタジオに連れて来たの?ってのに、まず驚いた。
山の洞窟も最初はああ、スタジオだねって感じが、奥へと進むと結構広くなる。
色鮮やかな鉱石のきらめきとか、地中の神秘性を見事に映像で表現している。
お気に入りは女王の化身のトカゲ。王冠がすごく似合ってるぞ。
かわいそうにこの女王、ダニーラが子供の頃から好きだったのに小娘に取られちゃう。
迎えたダニーラを、豪華な衣装をいっぱい着替えて一生懸命に気を引こうとするのに、
ダニーラの望みはただ石の花を見ること。
そんな彼を村へ帰さず、追ってきたカーチャを追い返そうとしたのは、
二人の愛を確かめるための試練って、女王のプライドを保つために言ったんだろな。
今回トラウマになったのは、花瓶の完成を祝う席で出された料理。
おかみさんが「ピローグ」が出来たよって、茶色い巨大なものをオーヴンから出す。
巨大ピロシキみたいで美味しいかも。ものすごく気になるぞ。