トラウマティック銀幕 狂った果実

実は、石原裕次郎の映画は観たことがない。ブラインドから外を覗くあの刑事ドラマも。
なんでだろう？あの強面のお兄さんのせいかな〜？あ、ロック・ドラマー好きだから、
あの映画がネックになってたのかも。「お、い、ら、は〜ド、ラ、マ〜♪」

＜狂った果実＞

夏久と春次の竹島兄弟は大急ぎで列車に駆け込み、鎌倉から久里浜へ向かう。
モーターボートで遊んだあと、夏久の友人のフランクの家で他の友人たちとたむろする。
みんな金持ちの息子の大学生たち。世の中が退屈で不満を抱えた太陽族たち。
無為にすごす年上の男たちを批判する春次に、兄は「そのうち何かが生まれるはずだ」
水上スキーやヨット遊び、外車に乗って街にくり出し、夜祭りでけんか。
春次は久里浜駅ですれ違った女性が気になっていた。彼女が沖を泳ぐのを兄と発見。
ふたりはボートに彼女を誘い、島まで送ってゆく。春次は彼女に夢中になる。
あくる日、駅で彼女が外国人男性と一緒のところを春次は見かける。
外国人は知人だと言う。春次はボートに忘れてあった彼女の海水帽を渡す約束をする。
約束どおり海水帽を渡し、水上スキーのあと磯場に寝そべるふたり。膝と膝が触れ合う。
春次はフランクの家のパーティーに彼女を誘う。迎えに行くと言う春次に、
「ママがうるさいから、バスの停留所で待ち合わせしましょ」
パーティー当日、春次とその女性エリは兄や年上の友人たちから注目される。
「あの女、何者だ？」夏久と身体を寄せて踊るエリをドライブへ連れ出す春次。
ある日、夏久はフランクや悪友たちと横浜のクラブへ。そこで踊る外国人とエリ。
翌日、ホテルに呼び出した夏久にエリは「昨夜、一緒だったのは私の夫よ」
今までにいろいろ浮気はしてきたけど、春次への気持ちは真剣だと言う。
夏久はエリに強引に迫る。「どうせ他にも浮気するなら、俺としないか」

ああ、なんだかね〜。太陽族かなんだか知らないけど、勝手にしろ〜って感じ。
残念ながら、石原裕次郎の魅力はまだわからない。もう少し作品数が必要だ。
さすがの存在感は北原三枝。裕次郎のハートもノックアウトした悪女ぶりがすごい！
いい味を出していたのはフランク役の岡田真澄。ノンシャランと見えて一番の大人。
それより何より、津川雅彦の強烈な目力。まぶしい！その若さとストレートさ！
今回のトラウマはそんな１６歳の弟の映画デビューを心配してか、ちょい出の長門裕之。
えっ？て驚くトホホなチンピラ役のノンクレジット出演。ぜひ探してみてください。