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摩訶不思議な guracolo ワールドへようこそ!

トラウマティック銀幕 八月の濡れた砂

日活は創業百年を迎えたらしい。サイレントからトーキー、チャンバラから現代劇、
石原裕次郎のアクションものや吉永小百合や青春ものなどなどいろいろと変遷。
本作はロマンポルノ路線に移行する寸前に撮られたものなんだって。

八月の濡れた砂

海辺の波打ち際を走ってきたスポーツカーが止まり、少女が外へ放り投げられる。
あとからブラジャーとパンティーも。運転する大学生たちに輪姦された。
少女は破れたワンピースを脱ぎ、素っ裸になって海に入って身体を洗う。
その様子を見ていたのは高校生のキヨシ。「バイクで家まで送ってやるよ」
だが、少女は家がどこか言わないので、とりあえず兄嫁が経営する海の家に。
少女をひとまずそこにおいて、家に戻ると兄嫁のワンピースを持ってとって返す。
途中で遊び仲間のケンにつかまり、ふたりで海の家に行くが、少女の姿は消えている。
かわりに浜を歩くギター&ブラス集団。夏休みの海水浴場にバンド出演のマモル。
クラスメートたちもたむろする。浜で試験勉強するシュウジに話しかけられ、
うざったいと思うキヨシ、シュウジのガールフレンドにちょっかいを出すケン。
キヨシが海の家を手伝っていると、見知らぬ女の客が「サナエをどうしたの?」
威丈高なその謎の女が車に乗ると、キヨシも強引に乗り込んで、「警察に行こう」
いざ警察署の前に来ると女は尻込みし、怒り心頭のキヨシは運転を代わり、
寂しい場所に車をつけて女を襲うがギアを破壊。気持ちが萎えて女を放免。
モヤモヤしたまま家に戻ると、ケンが待っていた。「おふくろの店に行こう」
ケンは校長先生を殴って退学、しばらく姿を消していたが最近戻ってきたのだ。
「カメレオンがキープする酒を飲もう」母親の男、亀井亀吉は政界にも顔がきく実力者。
何かと反抗するケンを軽くあしらう亀井。そんなところを見たくないキヨシは店を出て、
ギアが壊れて放置したままの車で寝てしまう。朝、サナエが車の窓をノックする。
キヨシの横に寝ころび、「するの?しないの?」「おれ、まだ顔を洗ってないんだ」

その後、カズコをめぐってケンとシュージが殴り合いをしたり、
サナエを襲った大学生を見つけてキヨシとケンとマモルが仕返しをしたり、
サナエの家にいた泥棒を四人でいたぶっていると帰宅したサナエの姉が助け、
「あんたたち、そのうちひどい目に会うわよ」と言われて、ケンがひどい目に会い、
その黒幕の亀井への仕返しに、ケンはヨットセーリングにライフルを持って行き…。
でも、所詮シラケ世代。モヤモヤを抱えたまま、結局は女をはけ口にするだけ。
学生運動に遅れて生まれ、熱気を持て余し、何もしないまますでに諦めムード。
この時代のフォークも大嫌い。新人類guracoloの魂は60年代ロック世代なのだ。
今回のトラウマは原田芳雄色を完璧に消している原田芳雄の神父さんと、
地井武男色を完璧に消したかに思えたけど消せなかった地井武男の担任先生。
地井さん、タオルを首に巻いても引き締まった肉体美は隠せてないよ!
おふた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。合掌。