新・トラウマティック銀幕：草原の実験

〈草原の実験〉

草原の真ん中でトラックが一台止まっている。
荷台には男がひとり、市場で買ってきた羊を枕に眠っている。
やがて目を覚ました男は車を運転して家に着く。
彼を迎えるのは少女。彼の娘だ。二人きりで暮らしている。
翌日、仕事に向かう父親の横で娘はトラックの運転を教えてもらう。
途中で娘はトラックを降りると、馬に乗る少年がやって来る。
少年は娘を引っぱりあげて馬に乗せると父娘の家まで送り届ける。
ある日、車のエンジンがオーバーヒートしたため水を求めて、
娘の家にソ連人の少年がやって来る。その後何度もやって来て、
やがて少女をめぐって馬の少年と反目しあうようになる。
父親は密かに所持していた放射性物質を謎の男たちに奪われる。
その物質のせいなのか父親は病気になり、村の病院に送られる。
ひとりぼっちで不安な少女のもとに、一通の手紙が届く。

手紙は入院中の父からではなく、父親の病状を知らせるものでもなく、
ある通知だったんだろなあ。衝撃のラストで、そうだったのかと気がつく。
全編セリフなしだけど違和感はまったくなし。風の音や音楽がいい。
娘のエレーナ・アンは超絶美少女！　あの目力に同性でももうメロメロ。
キム兄にしか見えない父親とは似ても似つかない。母親似なのよね。

トラ銀ポイント：謎の父親
軍用機が家にやって来ては、喜々として操縦させてもらう父親。
仕事は何なのか？　どこで働いているのか？
なんであんなに大酒飲んで酔っぱらって帰ってくるのか？
でも、いいよね。美少女な娘が甲斐甲斐しく世話してくれるから。