guracolo docolo

摩訶不思議な guracolo ワールドへようこそ!

トラウマティック銀幕

新・トラウマティック銀幕 : ビューティフル・デイ

〈ビューティフル・デイ〉ジョーは失踪した少女を捜す仕事を請け負っている。 ある日、誘拐された上院議員の娘の救出を依頼される。 選挙を控えているので、事件が表沙汰になるのは避けたいのだ。 唯一の情報では、娘ニーナは高級売春宿で働かされているらし…

新・トラウマティック銀幕:草原の実験

〈草原の実験〉草原の真ん中でトラックが一台止まっている。 荷台には男がひとり、市場で買ってきた羊を枕に眠っている。 やがて目を覚ました男は車を運転して家に着く。 彼を迎えるのは少女。彼の娘だ。二人きりで暮らしている。 翌日、仕事に向かう父親の…

新・トラウマティック銀幕:婚約者の友人

〈婚約者の友人〉 第一次世界大戦直後のドイツ。婚約者のフランツが戦死したアンナ。 ある日、墓参りをすると白いバラがフランツの墓に供えられている。 彼女がフランツの両親と一緒に暮らす家に見知らぬ男がお悔やみに訪れる。 フランス人青年アドリアンだ…

新・トラウマティック銀幕:パターソン

〈パターソン〉 朝、目を覚まして、妻にキスして、輪っかのシリアルの朝食を食べて、 歩いて会社に行って、路線バスを運転して、滝のある公園で弁当を食べて、 家の前の傾いているメールポストをまっすぐに直して、妻と夕食を食べて、 犬を散歩に連れて行っ…

新・トラウマティック銀幕:不思議惑星キン・ザ・ザ

「変な映画が観たい〜」 お待たせいたしましたっ! すっかり幻と化していたトラ銀が新装開店! またよろしくお願いいたします。〈不思議惑星キン・ザ・ザ〉 ある日、技師のマシコフは学生のゲテバンに街中で呼び止められる。 極寒のモスクワだというのに裸足…

大人の絵本 遠藤彰子2

日経新聞の文化欄でこのひとの〝夢と異世界への扉〟が掲載された。 さすがのチョイスの十作品に添えてある文章もまたすばらしい。 で、神保町のかげろう文庫でゲットした〝Akism 生命を謳う”を。 もちろんこのひとの作品も夢と異世界を大パノラマで描いてい…

本日のトラ映画 未来世紀ブラジル 

好きな現役の監督特集第四弾!テリー・ギリアム作品。 ちょっとまえに恵比寿ガーデンシネマで上映された〝ゼロの未来〟は この映画のソフト版って感じで悲哀のラスト。こちらは悪夢のラスト。 役人のサムは最近同じ夢ばかり見る。騎士となって囚われの美女を…

本日のトラ映画 ビッグ・リボウスキ

好きな現役監督特集の第三弾はジョエルとイーサンのコーエン兄弟もの。 相変わらず変なひとばかり出てくる。常連たちが集い、意外なひとも登場する。 主人公の中年無職男ジェフリー(デュード)・リボウスキにジェフ・ブリッジス。 ボウリング仲間の身勝手男…

本日のトラ映画 デッドマン

好きな現役の監督特集の第二弾!ジム・ジャームッシュものを。 主演がジョニー・デップだからもう文句のつけようがないかな? 会計士の職を求めてアメリカ大陸を東から横断してきたのに断られ、 街で会った若い女とベッドインしたところを男に踏み込まれて撃…

本日のトラ映画 ロイヤル・テネンバウムズ

前回は現役でたぶんいちばん好きな監督作品を取りあげた。 で、今回からは現役で好きな監督を特集。まずはウェス・アンダーソン。 このひとは基本コメディだけど、いつも根底にはダークさがある。 本作も傲慢で身勝手な父親にトラウマを与えられた息子たちと…

本日のトラ映画 さよなら、人類

たぶん現役でいちばん好きな監督はロイ・アンダーソン。 今回はめずらしく主役がいる。ひとを笑顔にしたいと、 面白グッズを売る中年セールスマン・コンビのヨナタンとサム。 でも、ちっとも売れない。だって売りものは吸血鬼の牙と笑い袋と、 歯抜けおやじ…

本日のトラ映画 砂丘

ピンク・フロイドが音楽を担当するアントニオーニ監督作品。 学生運動で警官を銃で撃ってしまった男子学生。 セスナを盗みデスヴァレーへ。そこで若い女性と出会う。 彼女は会議に出る上司のもとへひとりドライブで向かっていた。 愛を交わしたあとふたりは…

本日のトラ映画 ブリューゲルの動く絵

絵を動かしたのがモーション・ピクチャ=映画。じゃ、映画を止めたら? ブリューゲルの‘ゴルゴタの丘への行進’の絵を映画で再現する。 でも、完全静止は無理。後ろのほうで子供たちは輪になって踊ってるし、 馬もじっとしていられずにグルグルまわる。羊はが…

本日のトラ映画 バンカー・パレス・ホテル

エンキ・ビラルものは一本観てたはずだけどよく覚えてない。 題名も内容も。ただの物忘れならいいけど若年性のあれだったら…。 とりあえず幕張の蔦屋書店で見つけたが、これはちがうようだ。 酸性雨。絶え間ない銃声や砲声。走りまわる武装警官。 男は泊った…

本日のトラ映画 カビリアの夜

フェリーニ&ジュリエッタ・マシーニ黄金コンビものを。 今回は野卑で粗暴な娼婦カビリアを演じるジュリエッタ。 バッグを奪われ川に落とされ溺死するところを救われたのに、 救ってくれた男たちに礼もせず、裏切った恋人への怒り爆発。 心配する女友だちも…

本日のトラ映画 アルゴ探検隊の大冒険

ストップモーション・アニメが大好き!‘羊のショーン’観ようかな。 で、その世界では神さまのレイ・ハリーハウゼンものを。 ストーリーはトラ銀でとりあげたパゾリーニの‘メディア’の前半部分。 ジェイソン(イアソン)は仲間をつのって金の羊の皮を求める航…

本日のトラ映画 12モンキーズ

‘ラ・ジュテ’を観たからには、こちらも観ないことには。 大筋はほぼ同じといってもいいが、別物として観たほうがいい。 大きなちがいは12モンキーズの存在。サスペンス色が一気に高まる。 途中までD・ボイルの〝28日後…〟みたいかって思ったんだけど、 …

本日のトラ映画 妖精たちの森

ヘンリー・ジェームズの小説のなかでも‘ねじの回転’はかなり異色。 幽霊ものともサイコ・サスペンスともとれる。見方によってガラリと変わる。 で、幽霊ものと解釈して、その前日譚を映画化したものがこれ。 両親を亡くした兄妹を広大な森のある大きな屋敷で…

本日のトラ映画 ラ・ジュテ

テリー・ギリアムはこの映画を観ていないと言っているらしい。 いやいや。科学者の出っぱりメガネなんか絶対パクッてるぞ! というわけで、‘12モンキーズ’の元ネタらしいこの映画。 全編静止画像の連続に、1シーンだけパラパラ漫画のように動く。 少年は…

本日のトラ映画 狩人の夜

フィルム・ノワールが大好き。‘黒い罠’とか‘現金に体を張れ’とか…。 少ない…。好きな割にまだまだ掘り掘りが必要なこの分野。 これは大昔に観て、ロバート・ミッチャムの怖さだけが強トラになっていた。 で、超久しぶりに観直したら…、こっ、これはっ、大傑作…

本日のトラ映画 ホーリー・マウンテン

最近はまっているアレハンドロ・ホドロフスキーものを。 ざっくりまとめると錬金術師と弟子たちが厳しい修業を経て、 聖なる山にいる賢者から不老不死の秘法を奪うという話。 舞台の街では貧者に対して富者と権力者は常に残酷だし、 いかにも厳かな作法でう○…

本日のトラ映画 キャット・ピープル

ナターシャ・キンスキーのほうじゃないよ!あっちもいいけど。 ‘蜘蛛女のキス’でモリーナが語ってきかせる42年版を見つけた! B級映画だって思ってたから、意外や意外。なかなか味わい深い。 男性を愛しても結ばれるどころか、キスだけで魔物にとりつかれ…

本日のトラ映画 アルファヴィル

千葉寺のTSUTAYAで、おっ!というものを見つけた。 意外や意外。ジャン・リュック・ゴダールのSFもの! アルファヴィルに男が到着。記者と名乗るが実はスパイだ。 彼の密命はこの都市の中枢である人工頭脳R60を作った ファン・ブラウン博士を捕えるか、…

本日のトラ映画 審判

めずらしいものを千葉寺のTSUTAYAで見つけた。 YESのPV♪オ〜ナラ・ロンリ〜ハ〜♪はこれをパロっているね。 オーソン・ウェルズの監督作品はどれも実験・冒険がすごく面白い。 カフカ作品に巣くう得体のしれない不安感と見えない先への焦燥感を、 アンソニー…

本日のトラ映画 第七の封印

海浜幕張の蔦屋書店のレンタルで見つけた。超久しぶり! 神の存在に疑問を持つ騎士と神は不在だとする従者。 十字軍に参加して十年後に祖国に戻るとペスト禍に見舞われていた。 つきまとう‘死’に騎士はチェスを挑む。勝負はなかなかつかない。 妻のいる館へ…

本日のトラ映画 アンダーグラウンド

ずっと気になっていたエミール・クストリッツァ監督作品。 戦後・チトー死後のユーゴスラヴィアの歴史をダークな幻想風に描く。 全編ヤケクソ気味のマッドハッターのティーパーティーかと思いきや、 だんだんお笑い沙汰も茶番もほころび、急に恐ろしい現実が…

トラウマティック銀幕 ゴジラ

長らくおつきあいいただきありがとうございました。 次回からはもうちょっとコンパクトなものを展開します。 最終回はいまだに追いかけられる夢を見る我が人生最強トラウマ映画です。 <ゴジラ> 日本の南海で貨物船がSOSを発して行方不明になる。捜索に向か…

トラウマティック銀幕 テオレマ

悪魔的魅力をたたえた若き日のテレンス・スタンプの主演映画。ようやく観るぞ。 パゾリーニものだから難解そうで二の足を踏んでいたんだけど。最後まで行けるか? <テオレマ>ブルジョアジーの一家に見知らぬ訪問者がやって来る。不思議な魅力の美貌の青年…

トラウマティック銀幕 バーバレラ

最近観た‘ゼロ・グラビティ’は思わず息を呑む超絶美映像だったけど、 酸素不足に陥った主人公につられて息をつめ、終わってみればどっと疲れた。 やっぱりこれぐらいゆる〜いアナログなもののほうが安心できるなあ。 <バーバレラ>船外活動を終えて無重力状…

トラウマティック銀幕 袋小路

前回のポーランド映画にまだどっぷりトラウマっている。 この際だから、どっぷりついでに今回もポーランド人監督ものにしよう。 <袋小路> 海辺で故障した車を押す男。腕には包帯を巻いている。かなり重傷のようだ。 運転席の男も朦朧としている。車内には…